元年春之祭 (豆瓣) 陆秋槎『元年春之祭』(新星出版社、2016) 天漢元年、長安で育った豪族の娘、於陵葵は楚国雲夢澤で祭祀を行う観氏のもとを訪れ、そこで出会った娘、露申とその日のうちに友情を結ぶ。葵が観氏一族の歓待を受けた翌朝、観氏の当主の妹が殺されているのが発見される。しかし現場に通じる道には全て目撃者がおり、犯人が逃走する余地はないはずだった。 陸秋槎氏の初長篇。もとは第三回島田荘司推理小説賞(2013年)に応募された作品で、その時は第一次選考で落選しているがなかなかどうして堂に入った本格ミステリ。前漢の時代を舞台に採って、古典にも造詣の深い作者の学識と趣味が作品全体に溢れている。 民俗的な要素のフィーチャーや後半の二転三転など、作者の言う通り作品の外枠に三津田信三の影響は感じられるが、超自然的な要素が完全に排されているのと、日本ACGの影響とおぼしき少女たちの密接な関係が積極的に投
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