日本の旅館・ホテル業界が、中国の旅行予約サイトが起こした「架空の予約受付」による混乱で揺れている。「存在しない空き部屋」を、実勢価格を大きく上回る値段で販売したこの騒動、次々と実態が明らかになってきた。 ウェブサイトや携帯のアプリを使って、簡単に宿の予約が取れる昨今、国内・海外旅行を問わず旅行関連のオンライン予約サイトは増える一方だ。はたして安全に旅の予約をするにはどうしたらいいのだろうか。今回の事例を分析しながら改めて検討してみることとしたい。 観光庁が注意を促す事態に 今回の問題をめぐっては12月1日、個人旅行者向けの情報を積極的に発信しているトラベルメディア「トライシー(Traicy)」が「”存在しない部屋”を販売する海外大手宿泊サイトのカラクリ」という記事を掲載したことで広く明るみに出た。 それによると、「海外大手宿泊サイトが、年末年始が既に満室のホテルを『一室のみ在庫がある』と偽