さてさて、実はロンドンには博論の口頭試問で行ったのだが、終わった後すぐロンドンを離れ、リヴァプールに行ってテイトリヴァプールで「グラム!スタイルのパフォーマンス」展(Glam! The Performance of Style)を見てきた。 これは70年代ブリテンのグラムロックを音楽だけではなくもっと大きい芸術史全体のコンテクストに位置づけようというもの。グラムロックを担った人たちの大部分はアートスクールで教育を受けたことがあり、グラムは音楽だけではなく映画とか美術、ファッションなど幅広い芸術潮流であった。さらに、同性愛などセクシュアリティについて社会的に隠蔽されてきたことを臆せず表現する大胆さや、男性中心的なロックにキラキラしたキャンプな感覚を持ち込もうとする試み、固定されたものとしての自己イメージを問い直す変身への欲求というのはグラムの時代が終わった現代まで幅広い芸術分野に強い影響を及