2020年、現代ビジネスで反響の大きかったベスト記事をご紹介していきます。3月16日掲載〈自宅を売って1000万円で「美しい農村」に引っ越し、夫婦は崩壊した〉をご覧ください。 あの町にはもう戻れない 今年67歳になる三浦邦彦さん(仮名)は、定年後、田舎暮らしがしたくて、2年前に東京の自宅を売り払い、妻と二人で山梨に引っ越した。 「都会の喧騒を離れ、八ヶ岳や南アルプスの名峰に囲まれた自然豊かな場所で、畑で野菜を作って自給自足で暮らす生活を夢見ていました。ところが、現実はそんなに甘いものではないことにすぐに気づきました」 三浦さんの一つ目の誤算は、田舎暮らしは思ったよりもおカネがかかるということだった。自給自足の暮らしを夢見て、300万円で空き家を購入。防寒対策などのリフォームに500万円を費やした。 近所の農家から畑を借りたが、畑の手入れをするのにも多額の費用がかかった。手押しの小型耕運機が