2023年5月にネットフリックスで配信がスタートした『あいの里』。ベッキーと田村淳がコメンテーターを務めるこの恋愛リアリティー番組は、ほかとは一線を画すと米「アトランティック」誌の記者は書く。何がこの番組を特別なものにしているのか。 一見すると、『あいの里』は、標準的なリアリティ番組と同じように思える──4人の女性と4人の男性が、恋の相手を見つけることを願って一つ屋根の下に住む。そしてホスト役2人が、離れたスタジオから成り行きについてコメントする。共同生活を送る赤の他人同士の若者6人を追った日本のリアリティ番組『テラスハウス』、そして、島で繰り広げられる韓国のデート番組『脱出おひとり島』のようだ。 だが『あいの里』では、そうした設定に但し書きが付く──ここでは参加者全員が、最も若いメンバーの35歳を筆頭に、ほぼ40〜60代なのだ。これが、番組の力学を完全に異なるものにしている。 35歳は高