日本大アメリカンフットボール部の薬物事案からは、大学スポーツ全体として学生アスリートを逸脱行為からどう守るか、も問われている。スポーツ選手のメンタルヘルスに詳しい国立精神・神経医療研究センターの小塩靖崇研究員に聞いた。 ◇ 不健全なストレス対処として、大麻などの薬物使用や過度なアルコール摂取など、社会的に危険と言われる行動に手をつけてしまうことがあります。競争社会のスポーツ界はそのリスクが高いと言えるかもしれません。 健全なストレス対処は、誰かに相談したり、心安らぐ趣味に取り組んだり、規則正しい生活習慣をしたりすることでなされますが、効果が見られるまで時間がかかる。一方で不健全なストレス対処は、短期的にストレスが発散され、気持ちよくなるので陥りやすい。個人としての課題として認識されやすいですが、それが起きてしまう組織、スポーツチームは「環境としての病気の状態」になっているととらえられるかも