みなさんこんにちは。 今回はショートショートです。 小説投稿サイト「エブリスタ」の エブリスタ×モバオク ショートエピソードコンテスト「思い切って買ったもの/売ったもの」に応募した作品です。 ではどうぞ。 「最後の取引」 後はもうタップするだけだった。 僕の寿命は誰か有意義に使ってくれる人に売る。 お金に困っているわけではない。 死にたくなったわけでもない。 ただ、誰かに寿命を譲りたかった。 これが正義かと聞かれれば返答に困る。 でも、相手はきっと喜んでくれるはずだ。 このフリマアプリはどんな物でも売れる。 そして、売った物は確実に相手の手元に届く。 だから、僕は残りの寿命を出品した。 僕はスマホからそっと手を離した。 これで取引は終わり。 正真正銘、最後の取引。 残りの寿命は相手の元に・・・。 僕は目を瞑った。 きっと、このまま寿命が・・・。 ・・・終わるはずだった。 ・・・僕は目を開く