私の地域では、今25年前のTBSドラマ『愛していると言ってくれ』が放送されている。当時は忙しくてドラマを、と言うよりテレビをあまり見ていなかった(息子たちが見ていれば、家事をしながら見る程度)ので、このドラマが評判なのは知っていたが見たことはなかった。 32歳の豊川悦司さんが、聴覚障碍者の画家を演じているのだが、現在の男臭い豊川さんとはまるで違う佇まい。まず、なんという透明感だろうと驚いた。そして触れたらたちまち怪我をしそうな鋭さと、がさつに扱ったら壊れそうな感じもする。そうだ、まるで美しいガラスでできた鋭利なナイフだ。 現代は、女装すればみなウットリするような美女になってしまう、優しげなイケメンばかりなので、この25年前のトヨエツの魅力は新鮮に感じる。 そのトヨエツのちょっと影のある画家と対照的に、常盤貴子さん演じる水野紘子は、とても健康的で明るく元気な女優の卵。健聴者と聴覚障碍者のカッ