能登半島を襲った地震から4日目、捜索隊は小さな鳴き声を聞き逃さなかった。倒壊した家屋の中から助け出したのは、9歳で雄のトイプードルだった。「ムーム、よく頑張ったね」。飼い主の大切なパートナーになっているペットも被害に遭っており、専門家は「被災のストレスは飼い主と同じ。ケアをしてあげて」と話す。 最大で震度6強を観測した石川県輪島市。災害時のペットの捜索救助を担う「チームうーにゃん」(千葉県船橋市)代表の田中麻紀さん(55)は、メンバー1人とともに現地に入った。輪島市町野町に住む80代女性の親族から依頼を受け、女性と暮らしていた愛犬「ムーム」を助けるためだ。 8年前の熊本地震で、18日間にわたり生き埋めになっていた犬をレスキューしたチームうーにゃん。輪島市に向けて地震翌日の2日夜に千葉を出発した。輪島市に入ってから土砂崩れで車が進めず、歩いて現場にたどり着いたのは3日夜。町野町は集落の古い家