<化学会社からアグリビジネスに見事脱皮した米企業モンサントの、変わらない「本質」を徹底的に暴く新著『シードビジネス』> アメリカの代表的企業の1つだった総合化学メーカーのモンサントが、ドイツの医療・農薬大手バイエルに買収されて、歴史の舞台を降りたのは2018年のこと。これにより、100年以上続いたブランドは消滅した。 だが、その除草剤製品に含まれる(とされる)発癌物質は、自然環境や食品、そしておそらく私たちの体内に残っている。また、除草剤に耐性のある遺伝子組み換え種子は、現在も幅広い作物に使用され、家畜の餌となり、甘味料や増粘剤として幅広い加工食品に使われている。 いったいモンサントとは何だったのか。その商品は、どのようにして現代の食料システムの根幹を成すようになり、バイエルの下で存続し、私たちの命と自然資源に影響を与え続けるのか。 オハイオ州立大学のバートウ・エルモア准教授の新著『シード