世界でもっともファッショナブルなアフリカの少数民族「スリ族」の写真集『SURI COLLECTION』を発売して一躍有名に。アフリカ少数民族のなかへ飛び込んでいくその撮影スタイルも注目を集めた。 テレビの旅番組「クレイジージャーニー」(TBS系)でも少数民族の魅力を伝えて好評を博し、2019年に全国の百貨店で開催された回顧展「HEROES」には年間10万人が来場した。
2019年6月、初夏のパリ。ドラァグクイーンの撮影に臨んでいたヨシダナギは、現れたモデルを見て、息をのんだ。ミュージカル『キャッツ』のようなメイクをしたミニュイという名のドラァグクイーンは、ひげを生やし、衣装から胸毛と腕毛がのぞいていたからだ。 それまでに撮影したクイーンたちは、みな「毛」を処理するか、隠して見えないようにしていた。そのため、ヨシダナギは「撮影した後に、毛を消してあげたほうがいいのかな、消すの大変だな」と感じたという。 このドラァグクイーン・シリーズでは、新しい試みとして、ヨシダナギがモデルとなるクイーンたちにインタビューをして、その動画も写真集に同封することにしていた。この日も、撮影に入る前にミニュイとのインタビューが行われた。そのときに、謎が解けた。 撮影対象を少数民族からドラァグクイーンへ 「いちばん訴えたいのは“したいことを、好きな時、好きな場所でしてもいい”ってこ
今回は『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』(ライツ社/2017年)を選んでみました。当ブログでレシピ本を取り上げるのは、きっと最初で最後になるはず。 前回TABIPPOの『僕らの人生を変えた世界一周』(いろは出版)をピックアップし、その流れで2作目以降のTABIPPO関連書籍を出版しているライツ社に何となく意識が飛び、これまた何となく『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』へ辿り着いた次第です。 独立系出版社が業界の未来を照らす? 本題へ入る前に、まずはライツ社について補足させてください。兵庫県明石市に拠点を置くライツ社は、もともといろは出版にいた編集者の大塚啓志郎さんが2016年に立ち上げた小さな会社(祝5周年!)。 〈writes right light――書く力で、まっすぐに、照らす〉を合言葉に、実用書や小説、写真集などなど、扱うジャンルは多岐に渡りますが、総じてややニッチな
『僕が旅に出る理由』というタイトルの本がある。旅に出て、新しい自分を見つけた大学生100人の手記や撮影写真などを集めたエッセイ集だ。 2012年2月、京都市左京区に本社を置く「いろは出版」から刊行された。同出版社のプロデュースで、さまざまな人の書いた夢を集めて本にする「日本ドリームプロジェクト」による企画の一つでもある。 2008年に関西大学を卒業し、同出版社に入社した大塚啓志郎(おおつか・けいしろう)が編集を担当。関西大学、神戸大学大学院を経て2011年に入社した髙野翔(たかの・しょう)が営業部門の中核として同僚とともに主要地域の書店を駆けずり回って、各店の一等地に多面展開する“売り場”を作りまくった。 初版1万5000部→累計4万3000部まで販売を伸ばし、当時の旅行紀ジャンルでトップに立った。2024年のいまから見てみると、この本の存在は別の意味でも興味深い。 (取材・執筆:武政秀明
「本を売れないのは編集者の責任感の欠如」。社員6人、本社は明石。一人当たりの売上単価は業界トップクラス。ライツ社/大塚 啓志郎さん【編集者の時代 第2回】 CORECOLOR編集長、佐藤友美(さとゆみ)が、編集者に話を聞くシリーズ「編集者の時代」。 『リュウジ式悪魔のレシピ』(22万部)、『売上を、減らそう。』(5万部)、『認知症世界の歩き方』(16万部)などベストセラーを連発するのは、ライツ社。2016年に兵庫県明石市に創業した社員6人の小さな出版社だ。年間に発行する冊数はたった4〜5冊。しかし、その本がひとたび書店に並べば、たちまち話題になる。どんな本作りをし、どう売っているのか。見えてきたのは、「1冊の本に対する責任」をどこまでも取ろうとする姿勢だった。 聞き手/佐藤 友美(さとゆみ) 構成/市橋 かほる 構成に2カ月。文字は1文字でも減らし、4行に1回は感動させる ――ライツ社さん
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