どうしようもなくのめり込んでしまう趣味を「沼」と呼ぶことが増えている。不倫・ママ活・スピ・推し・タワマン……『沼で溺れてみたけれど』(講談社)では、『浪費図鑑』の編著者でもあるひらりさ氏が様々な「沼」に溺れた女性たちに取材している。 『沼で溺れてみたけれど』から、切実な理由から「女性用風俗」という「沼」に溺れた女性のエピソードを紹介する。(前後編の前編/後編を読む) 舞い込んできたDM「実は女性用風俗を利用しています」 人生の大半、恋人がいない。二〇一九年もそうだった。「劇団雌猫」名義で三冊書籍を刊行し、推し俳優チュ・ジフンができ、仕事も趣味も充実した一年だったけれど、「恋愛にももう少し時間を割いておくべきだったのでは……」という心の声はたまに襲ってくる。 普段は忙しさにかまけて忘れているが、誕生日、クリスマス、バレンタインデーといったイベント事が訪れたり、他人の慶事の話が飛び込んだりして