仮想通貨(暗号資産)/ブロックチェーンを題材にした『ニムロッド』で第160回芥川賞受賞し、最新作『キュー』ではテクノロジーの発展の先にある分散化あるいは究極の中央集権化を見事に描いた小説家 上田岳弘 氏。そしてイーサリアムの高速化技術である「Plasma」の開発者として世界から注目を集めるエンジニアであり株式会社Cryptoeconomics Lab のCo-founder/Chief Economistである落合渉悟氏。小説家とエンジニアという全く違った境遇の二人が表現やテクノロジーの未来に激しく共鳴し合う、特別対談第1回(全3回)。 サトシナカモトは呪いをかけているのか、解いているのか 落合:今日の対談、本当に楽しみにしていました。『ニムロッド』『キュー』を拝読して、この2作品が僕の中のバイブルと化したので(笑)。 上田:ありがとうございます。 落合:最初に『ニムロッド』を読んだ後、と