J2リーグのツエーゲン金沢戦で決勝点をあげMVPを受賞した小野伸二。2015年10月10日、札幌厚別公園競技場で(筆者撮影) 「サッカーを楽しむ」を貫いた天才 「天才」と呼ばれた稀代のファンタジスタ、元日本代表MFの小野伸二が、12月3日のJ1リーグ最終節をもってプロサッカー選手を引退した。 小野といえば、「神業レベル」の柔らかいタッチで誰よりもボールを手なずけ、ボールと戯れていた。真剣勝負の中にも「遊び心」があふれ、試合中でもニヤついている。そんな印象が私にはあった。 要するに、「サッカーを楽しむ」を貫いた選手。それが小野伸二だ。 自分が楽しんでこそ、周りも楽しませられる――。観客を楽しませたいという思いが小野のプレーからはつねに伝わってきた。 同じファンタジスタの「中村俊輔」とはまた違ったワクワク感があった。「予想を裏切るプレー」への期待感は小野のほうが上回っていたように感じる。 気に