ジョディ・フォスターがアカデミー主演女優賞を獲った『告発の行方』(1988)。この作品は公開当時、映画の内容が社会意識や法制度よりも先を行っていることから、世界中に大きな衝撃を与えた。 バーでレイプされる女性をジョディ・フォスターが演じているのだが、女性がどれほど気のある素振りをしようが、どれほど露出した服装をしていようが「ノーと言えば性的同意がない」とみなされる。また、レイプを周りで囃し立てた人も暴行教唆罪に値し、レイプ犯と同じ刑事罰を課される、という先進的な裁判を描いた物語だ。 本作は、1980年代後半に横行していた「被害者女性にも責任がある場合がある」「レイプに加わらなければ無罪」といった社会的意識を覆そうとしたのである。 そして、現在公開中のデンマーク映画『罪と女王』もまた、『告発の行方』のように私達の社会意識を変えようとする作品だ。 医師の夫と2人の子どもたちに囲まれ幸せな生活を