身長150cmと小柄ながら大きなストライドと力強いキックで強さを見せつけ、レースが終われば持ち前の明るさと関西弁で仲間を笑顔にさせてくれる。名城大学の高松智美ムセンビ(4年、大阪薫英女学院)は「目標も全部達成できたし、もう次に進む時かなと思いました」と、今年1月の選抜女子駅伝北九州大会を最後に、陸上人生にピリオドを打った。13年間、そこまで長く陸上を続けるとは思っていなかったという。 田中希実と競り合いながら ケニア人のマクセル・ムセンビさんを父にもち、高松はケニアで生まれた。だが1歳になってから日本に住むようになったため、「ケニアのどこで何をやっていたのか記憶にないです」と言う。その後、父は2001年の長野マラソンで優勝するなど、高松は小さい時から父を通して陸上を身近に感じてきた。それでも最初に選んだスポーツはテニスだった。3つ上の姉・高松望ムセンビさんは父とともに長距離に取り組んでいた