小松市尾小屋町の旧尾小屋鉱山の坑道跡「尾小屋マインロード」で25日、閉山から61年ぶりにトロッコ列車が運行された。丸太で囲われた往時の趣を残す坑道跡内で、片道110メートルを往復する3分間の乗車体験に多くの家族連れや全国の鉄道愛好家が集まり、緑濃いかつての鉱山町ににぎわいがひととき戻った。 全国の愛好家でつくる「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」が、トロッコ列車を復元しようと市の了解を得て坑道内にレールを敷いた。 トロッコ列車は、バッテリー機関車に、作業員用の「7号人車(じんしゃ)」、鉱物を載せた「21号鉱車」を連結。午前10時、「出発しまーす」の掛け声とともに手回し式のサイレンが鳴らされると、6人を乗せた1番列車がごう音とともにレールの上を進んだ。 1番列車の乗客となった千葉県松戸市の会社員佐々木渉さん(33)は「昔の鉱山の通勤を体験できた」と喜んだ。2番列車に家族で乗った能美市松が岡5丁目