旧統一教会を信仰する両親の元に生まれた男性。「信仰心はなかった」と語る=四国地方で2024年6月30日午後4時37分、高良駿輔撮影 信仰心はなかった。それでも、教義を破ってしまったらと考えるだけで怖かった。両親が心酔する教団は、2年前の事件をきっかけに社会の批判を浴びている。「何かが変わるかもしれない」と期待しているが、諦めを口にした双子の弟はこの世を去った。兄は自らの半生を語り始めた。 「親にあらがえず、声を上げられない宗教2世はたくさんいると思う。被害を知ってほしい」。6月26日、20代の男性が東京都内であった記者会見で訴えた。 風呂は3日に1回だけ 物心ついた時には両親から手を引かれ、教会の礼拝に参加していた。両親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の合同結婚式で結ばれた家庭に生まれた。四国地方にある自宅には経典や健康食品、つぼが並んでいるのが当たり前だった。 両親は献金を繰り返して