Ⓒ阿部智里/文藝春秋/NHK・NEP・ぴえろ 現在毎週土曜日23:45~NHK総合で放送中のアニメ『烏は主を選ばない』は、第13話で原作『烏に単は似合わない』と『烏は主を選ばない』のクライマックスを迎えました。そこで明かされた浜木綿の過去を描いた作品が、阿部智里さんの原作「八咫烏シリーズ」の外伝「すみのさくら」(『烏百花 蛍の章』所収)です。 「八咫烏シリーズ」外伝には、本編に登場する多彩な八咫烏たちひとりひとりを照射した、魅力的な短編がずらりと並んでいます。作品をさらに奥深く味わっていただくために、本外伝「すみのさくら」の全文を特別公開! 7月1日から7月31日までに期限限定になりますので、ぜひこの機会にどうぞお愉しみください。 「参りましたよ」 女房の言葉に撫子(なでしこ)が顔を上げると、さっと御簾が巻き上げられた。 その向こうには、ゆっくりと透廊(すきろう)をゆく、女の一団がある。