会員登録(無料)していただくと、記事から任意の箇所を抜粋したり、メモをつけて保存できるようになります。 A級戦犯は知っていても、BC級戦犯のことはよくわからないという方は、きっと多いことでしょう。田中宏巳著『BC級戦犯』(2002年、ちくま新書)によると、A級戦犯が国家を戦争に導いた軍部や政府の指導者であるのに対し、BC級戦犯は日本軍が占領した地域において捕虜や現地住民に対する残虐な行為を罪に問われた人びとです。命令した士官がB級、実行した下士官以下がC級とされたようですが、同書によるとこの区別に実効的な意味はあまりなかったようです。 BC級戦犯の裁判はアメリカ、イギリス、オーストラリア、オランダ、フランス、中国、フィリピンの連合国側7ヵ国の主宰により、主に中国大陸や東南アジアなど戦闘があった現地で開かれました(49法廷のうち、日本国内はアメリカが主宰した「横浜法廷」だけです)。戦後、連合