「おれは大丈夫だ。気をつけて帰れ」。台風19号による河川の氾濫で自宅が浸水し死亡した福島県いわき市平赤井の岡田コウさん(100)は風雨が強まる前の今月12日、自分の家へ避難するよう迎えに来ためいの志賀ミサ子さん(75)にこう告げたのが最後の言葉になった。 嫁いで約60年、夫を亡くして約30年、高齢になっても自分でコメを炊いて仏壇へのお供えを欠かさず、「頑固」に1人で家を守ってきた叔母だけに説得は難しかった。岡田さん宅は平屋で、13日未明に近くの夏井川が氾濫し、約2メートル浸水。水が引き始めた早朝、助けに向かった近所に住む親戚らが冠水した廊下にうつぶせで沈んでいるのを見つけた。 親族らによると、岡田さんは100歳になった今でも、足は不自由だったがつえをついて自ら近くのコンビニエンスストアに買い物に出かけ、身の回りのことはほとんどこなしていた。介護施設への入所を勧めても「おれの家だから、ここが