近年、初期フェーズのスタートアップ企業が特許の取得を発表するケースが増えている。起業や資金調達が容易になったと言われる昨今、「ポスト・ユニコーン」を目指した戦いはリーガル面でも本格化しつつある。 そうした状況の中、スタートアップ知財戦略の専門家として、数多くの経営者を支援しているのが六本木通り特許事務所代表の大谷寛(以下、大谷氏)だ。同氏は11月5日、ベンチャーキャピタル(VC)からの調達前のスタートアップ向け商標出願プラン「エンジェルラウンド」の提供開始を発表した。適切な時期での商標出願を通して、スタートアップの円滑な事業成長をサポートしていく予定だという。 なぜ、大谷氏はVCから資金調達前のシード期と呼ばれるスタートアップに特化した支援プログラムを開始することにしたのか。 今回、大谷氏に対するいくつかのヒアリングを踏まえつつ、スタートアップ企業が知財戦略を考える上での「知財思考」の勘所