SF作品にはさまざまなAIが登場するが、その中には、人間の感情をたくみに操るものが存在する。 たとえば映画『her/世界でひとつの彼女』に登場する音声AI「サマンサ」は、女優スカーレット・ヨハンソンが演じたことでも話題になったが、主人公の男性とコミュニケーションするうちに人間の感情を理解するようになり、彼と深い感情的つながりを形成するようになった(少なくとも主人公の視点から見る限りでは)。女性型アンドロイドの開発を描いた『エクス・マキナ』でも、人間の感情を理解するAIが登場し、主人公を翻弄(ほんろう)する。 またTVシリーズ『ウエストワールド』は、本物の人間そっくりのアンドロイドがいる体験型遊園地が舞台となっているが、そこにも人間の感情を理解する高度なAIが登場する。そのAIたちは人間の感情を理解するだけでなく、それを利用し、さらには人間関係を操作することで自分たちの目標を達成しようとする