高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 9月29日のNHK「ブラタモリ」は『 山形・酒田~山形・酒田はなぜ日本の中心!?~』が放送された。鳥海山と日本海を臨む港町、山形県の酒田。井原西鶴の日本永代蔵でも、西の堺、北の酒田と称された町である。 登場した案内人が、「ブラタモリの山形初来県、心待ちにしておりました!」と、意気込むと、そのやる気満々に対して、タモリは「あんまり張り切るとバテますんで・・・」といなす。このあたりの呼吸が番組らしくて好ましい。 番組は酒田が最上川の水運の集積地で、そこには山形県中に散らばる最上川沿岸の天領(幕府領)の米20万石が集まっただという事実を紹介する。そして、この米は西回り航路の北前船で大阪や江戸に向かって運ばれた。米を制すれば日本を制する。酒田が日本の中心、というわけだ。 「ブラタモリ」としては、米のことだけではなく、江戸に興隆した化粧品「紅