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政治哲学の検索結果1 - 4 件 / 4件

  • ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)|経済学101

    その昔,まだ私が学部生だった冷戦末期に,政治哲学で最高に熱い事態が起きていた.それは,英語圏でのマルクス主義の力強い再興だ.その仕事の大半は,「分析マルクス主義」という旗の下で進められていた(別名「たわごと無用のマルクス主義」ともいう).その発端となったのは,ジェラルド・コーエン『カール・マルクスの歴史理論:その擁護』の出版だ(あと,同書出版後にコーエンがオックスフォード社会政治哲学のチェリ講座教授に就任したこと).一方,ドイツでは,ユルゲン・ハーバマースの素晴らしく小さくまとまった『後期資本主義における正統化の問題』が出て〔1975年〕,マルクスによる資本制のさまざまな危機の分析を現代のシステム理論の言語に翻案して新たな息吹を吹き込む期待が高まった.若い急進主義者にとっては,実に熱い時代だった.誇張抜きに,こう言ってもいい――当時,政治哲学に携わっていたきわめて聡明でとりわけ重要だった人

      ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)|経済学101
    • ベンジャミン・クリッツァー著『モヤモヤする正義』まえがき|晶文社

      『21世紀の道徳』が好評だった哲学者・書評家ベンジャミン・クリッツァーさんの第二作『モヤモヤする正義──感情と理性の公共哲学』が9月25日より発売になります。 さまざまな「正義」について、紛糾し炎上も起きる現在、揶揄やあてこすりではなく、正面から「規範」について考え、堂々と「正義」を主張し合えるようになるためのテキストです。 発売に先立ち、本書のなかから、著者の執筆意図が込められた「まえがき」を公開いたします。このまえがきに関心を持たれた方は、ぜひ本書を手にとってみてください。 ネットを眺めたりテレビを見たり雑誌を読んだりしていると、「マイノリティばかり優遇されている」とか「フェミニストの横暴は目に余る」とかいった意見が目に入ってくる。「過剰なポリティカル・コレクトネス」は以前から騒がれていたし、最近ではキャンセル・カルチャーという言葉もすっかり定着した。こういった意見を言っている人たちは

        ベンジャミン・クリッツァー著『モヤモヤする正義』まえがき|晶文社
      • ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)

        その昔,まだ私が学部生だった冷戦末期に,政治哲学で最高に熱い事態が起きていた.それは,英語圏でのマルクス主義の力強い再興だ.その仕事の大半は,「分析マルクス主義」という旗の下で進められていた(別名「たわごと無用のマルクス主義」ともいう).その発端となったのは,ジェラルド・コーエン『カール・マルクスの歴史理論:その擁護』の出版だ(あと,同書出版後にコーエンがオックスフォード社会政治哲学のチェリ講座教授に就任したこと).一方,ドイツでは,ユルゲン・ハーバマースの素晴らしく小さくまとまった『後期資本主義における正統化の問題』が出て〔1975年〕,マルクスによる資本制のさまざまな危機の分析を現代のシステム理論の言語に翻案して新たな息吹を吹き込む期待が高まった.若い急進主義者にとっては,実に熱い時代だった.誇張抜きに,こう言ってもいい――当時,政治哲学に携わっていたきわめて聡明でとりわけ重要だった人

          ジョセフ・ヒース「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(2024年8月25日)
        • 稲葉振一郎×竹下昌志×吉川浩満「人間と人間以外の倫理の未来」『宇宙・動物・資本主義──稲葉振一郎対話集』(晶文社)刊行記念(2024・8/15 本屋B&B )稲葉振一郎資料 - shinichiroinaba's blog

          https://bbarchive240815a.peatix.com/ 当日語り切れなかった部分を含めて資料を公開する。 宇宙・動物・資本主義 作者:稲葉振一郎 晶文社 Amazon *自己紹介 稲葉振一郎 明治学院大学社会学部教授 専攻はとりあえず社会哲学 英語の学術論文は宇宙倫理学に集中している。 日本語ではAI倫理学関連の論文もある。 社会学史、経済学史、政治哲学、およそ思いついたことは何でも書いてみる人生。 0.コメントへの回答と反問 *本書は総じて深層学習以前のAI像にとどまっており、それゆえの限界があるので、歴史的コンテキストを振り返ると、 ・機械学習以前のAI・ロボット像=人工生命・人造人間 理想的極限においては自律的エージェントとなる。 哲学の主題としてのAI・ロボット:「どのような機械であればそれを自立した知性と呼びうるか?」という思考実験の課題(その系論としてのAI・

            稲葉振一郎×竹下昌志×吉川浩満「人間と人間以外の倫理の未来」『宇宙・動物・資本主義──稲葉振一郎対話集』(晶文社)刊行記念(2024・8/15 本屋B&B )稲葉振一郎資料 - shinichiroinaba's blog
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