『定本室生犀星全詩集』(冬樹社、1978年)による。題名と冒頭を示した。ただし、『室生犀星全集』(新潮社、1964-68年)を参考に一部訂正した箇所がある。 ・一部を除き、旧字体、異字体は新字体に置き換えた。 ・フリガナは《》でくくった。 ・詩集によっては、既刊詩集からの再録分が収録されていることがあるが、それらは除外した。 『愛の詩集』感情詩社、1918年 をさなき思ひ出(おれはよく山へ登つた) 序詩(自分は愛のあるところを目ざして行くだらう) 故郷にて作れる詩 はる(おれがいつも詩をかいてゐると) 桜咲くところ(私はときをり自らの行為を懺悔する) 万人の孤独(私はやはり内映を求めてゐた) 蒼空(おれは睡いのだ) 万人の愛(自分は夜更けてからも) 朝の歌(こどものやうな美しい気がして) 夕の歌(人人はまた寂しい夕を迎へた) 未完成の詩の一つ(赤赤しい夕焼) 萩原に与へたる詩(君だけは知つ