エリゼ条約締結60周年を記念する式典にあわせて行われた記者会見に臨むマクロン仏大統領(右)とショルツ独首相(左)=パリで1月22日、ロイター ロシアによるウクライナ侵攻から間もなく1年となる。この間、欧州のかたちは激変した。そこに何が生まれようとしているのか、歴史的な文脈を踏まえ、考えてみたい。 よくこうした見解を聞かないだろうか。第二次世界大戦後、独仏は不戦の誓いをもとに和解し、それをもとに欧州統合が進んで平和が訪れた、と。1月下旬の独仏エリゼ条約締結60周年を報じる通信社系の報道でもそう繰り返された。