北村紗衣さんの著書『批評の教室ーチョウのように読み、ハチのように書くー』(ちくま新書)が面白い(ダイレクトマーケティング)。 一言で言えば『批評の教室』は、読書を単に「面白かった」で済ませるのではなく、より深く楽しむために、精読・分析・批評執筆を如何に行なうかを、初心者向けに平易に解説した本である。文学作品・書籍だけでなく、映画作品等についての批評も視野に入れて書かれているので、他のジャンルへの応用も可能だろう。初心者向けとしては悪くない。図書館などで試し読みするなり、書店で購入するなりして欲しい。 同書には、冒頭から良いことが書いてある。一つの作品について良い批評を行なうためには、他の作品・文献なども読み漁り、多角的に観察・考察を行なうといった主旨の、大抵の読書術・批評入門には書いてあるような良いことである。 最初に私は、この本のことを「面白い」と書いた。しかし正直に言えば、それは本来の