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ある消防団員の男性が、報酬をもらっていないと副分団長に訴えるとキレられた。「おめえは俺に文句あんのか」。市の条例では団員に報酬を支給すると書かれているのに……。男性は納得できないまま退団し、市長宛てに嘆願書を出した。「私はパワーハラスメントを受けました」【御園生枝里】 消防団員はふだん他の本業を持ちながら、火災や風水害があれば現場に駆け付ける非常勤の地方公務員だ。市町村の条例で報酬が定められている。 しかし、その報酬を団員に渡さず消防団でプールしたり、旅行や飲み会に流用したりするケースが各地で発覚している。総務省消防庁は2021年4月、団員に直接支給するよう全国に通知したが、その通知を骨抜きにするようなトラブルが後を絶たない。 「報酬未払いを問い合わせると、消防団から呼び出され、報酬を受け取らない旨の同意を強要されました」 情報提供窓口「つながる毎日新聞」にそんなメッセージを寄せたのは福島
残高、0円――。消防団から返却された預金通帳を見て、元団員の男性は驚がくした。約15年にわたり男性への報酬が振り込まれていたはずだが、退団の意思を告げると全額が引き出されて「空っぽ」に。預けた報酬は、どこへ消えたのか。【御園生枝里】 消防団員が年々減っています。防災力向上への役割が期待される一方、さまざまな課題も。消防団の実態に「ホンネ」で迫ります。過去の記事はこちらから 「通帳とハンコは消防団で預かる」 「怒りというより、失望しかありません」。そう話すのは、岩手県に住む40代の男性だ。2008年6月、自らの知識や技術を生かして地域の役に立ちたいと消防団に入団した。 自宅で仕事をすることが多かった男性は、近くで火災があれば誰よりも早く、消防団の詰め所に駆け付けた。年末の警戒や水防訓練などにも積極的に参加した。 消防団員は非常勤の地方公務員だ。市町村が条例で報酬を定めて支給する。男性は消防車
福島県南相馬市の消防団が、団員だった40代男性に1年半にわたり報酬を渡さなかった上、先輩団員が「嫌なら辞めて」などと退団を促していたことが関係者への取材で判明した。市は消防団に改善を求めて指導。毎日新聞は男性と先輩団員らのやりとりを録音した音声データを入手した。 【写真まとめ】この消防団員の年額報酬 ◇各地で不適切管理が発覚、消防庁が通知 消防団員の報酬を巡っては、各地の消防団で不適切な管理や流用が発覚。総務省消防庁は2021年4月、報酬を個人に直接支給するよう全国の自治体に通知している。 南相馬市の条例では、団員に報酬を支給すると定めている。一般団員の年額報酬は21年度までは2万7000円で、22年度以降は3万6500円。22年度分は市から団員への直接支給に切り替わったが、21年度分までは市が各分団にまとめて振り込んでいた。 男性は21年4月に入団したが、同年度分の報酬が支払われないのを
震災で命を落としたのは、消防団員の使命感ゆえだった。輪島市門前町高根尾の会社員、稲垣寿(ひさし)さん(46)は1日夕方に起きた1回目の地震を受けて出動準備中、震度6強の大地震に遭い、つぶれた2階の下敷きになった。高齢化の進む地域で、将来を期待された若きリーダーの命が無慈悲に奪われ、住民は悲しみに暮れている。 「ヒサシが消防団員でなかったら、助かったろうに」。13日、避難先の門前中で、高根尾の区長、中橋政久さん(76)が沈痛な面持ちで語った。 1日午後4時6分に地震があった後、稲垣さんは同居する母と祖母を逃がし、自宅の1階で出動する準備を始めた。上着を着て、ズボンにベルトを通そうとした午後4時10分、2度目の揺れが襲った。 たちまち2階が崩落、太い桁に脚を押さえつけられ、稲垣さんは生き埋めになった。駆け付けた中橋さんらが119番通報するも、電話はほとんどつながらず。「いつになるか分からん」。
ある女性分団長が声を潜めた。「消防団はうんざりするような男社会です。女性は声を上げられません」。全国で消防団員の確保が難しくなる中、女性の存在は重宝されているかと思いきや、実態は違うという。分団長は、ある活動を上層部から禁じられていた。【御園生枝里】 「今の組織である以上、女性や若い世代が活躍できる場はないと思います」 毎日新聞の情報提供窓口「つながる毎日新聞」にそんなメッセージを寄せたのは、西日本に住む50代の女性分団長だ。 地域の高齢者に防火指導 女性が消防団に入ったのは1996年。阪神大震災の翌年で「女性の視点で地域防災に貢献できることがあるかもしれない」と考えて女性分団のメンバーになった。 活動拠点の消防署までは自宅から近く、自転車で活動できる点も魅力だった。幼稚園児と小学生の2人を育てていたが、義理の母も別のボランティアをしており、家族の理解も得られた。 その女性分団では火災や風
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