中国のゼロコロナ政策の行き詰まりが、世界の金融・株式市場を揺さぶっている。いま習近平体制が直面するのは、以下の深刻な矛盾である。中国の感染症研究の第一人者・鍾南山氏は4月6日、ゼロコロナ政策は「長期的に続けることはできない」とする論文を発表した。王様は裸だと告げるこの論文はSNSに拡散し、当局は消去に大わらわとなっている。経済活動とコロナ対策の両立に転じようにも、問屋が卸さない事情がある。ゼ
日経は、半月前、7-9月期について、消費が6月の水準を保つだけで前期より高まる「ゲタ」を履いているとして、読者を元気づけていたが、7月の家計調査の実質季節調整済指数は、前月比で-0.2の低下となり、基調を示す「除く住居等」は-0.8にもなった。本コラムの警告どおり「ゲタ」は割れ、多くのエコノミストのV字回復への期待は、半月もたずに瓦解した。 7月の鉱工業生産指数は、投資財の特定要因の押し上げで、わずかに生産がプラスになっただけで、在庫は前回不況時に匹敵する水準にまで達し、年内は生産調整が続くことが避けられなくなった。それどころか、消費財の生産・出荷は、未だ下がり続けており、8月の鉱工業生産は悪化する恐れが高い。デフレスパイラル勃発の崖縁に立つ、不穏な情勢にある。 ……… まずは、家計調査の図から見ていただこう。7月は見事にお辞儀をしている。これから発表される消費総合は強めに出がちだが、供給
当然の結果ではないだろうか。今回の円高局面である。日本は、2010年度後半に、10兆円もの緊縮財政を行い、デフレを放置した。他方、米国はQE2を行い、ドル安と資源高によって、物価高となったのだから、円高ドル安にならない方がおかしい。 もちろん、物価差が開いても、日銀が金利を下げ、金利差をつけることができれば、円高を緩和できるのだが、短期金利はゼロに近く、長期金利は1%割るところまで来ているのだから、それは無理な話である。昨日の夕刊で日経は、円高の背景には日米の金利差縮小があると報じている。米国の長期金利は、3%程度であったものが、この1か月で2%程度まで低下した。日本の長期金利は、もともと1%程度しかないのだから、従来の金利差を維持しようと思えば、マイナス金利にでもしなければならない。 金融政策には限界があるのだから、円高のためにも、デフレが続くような緊縮財政をすべきではないのである。「え
非常に残念なことですが、10/1、安倍総理は消費税を来年4月から8%に増税することを発表しました。 その一方で安倍総理は5兆円規模の補正予算を組むので、実質的には3%増税のうち2%は負担増にはならないという話があります。リフレ派として知られる、内閣参与の浜田宏一氏、本田悦朗氏もそう考えているという記事もあります。*1 8月30日の金曜日。首相の安倍晋三(59)は、官邸で2人の内閣官房参与を昼食に誘った。米エール大名誉教授の浜田宏一(77)と静岡県立大教授の本田悦朗(58)。その週は政府が消費増税を巡り有識者の意見を聞く「集中点検会合」を開き、27日に浜田は出席。本田は31日に参加を控えるはざまのタイミングだった。 アベノミクスの理論的な支柱として別格の扱いを受ける浜田は安倍に持論を改めて述べた。「3%をいきなり上げる例は諸外国にもありません。ショックが大きくなる可能性があるからです。それを
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