CGにVFX…いまや、映画における映像表現を可能にする技術的な選択肢は激増し、多様化している。 進化を続ける映画技術とその活用について、現場歴40年を誇る日本有数の特撮監督であり、『シン・ウルトラマン』で准監督を務めた尾上克郎(おのうえ・かつろう)さんに話を聞いた。 聞き手である松田智穂子(専修大学国際コミュニケーション学部准教授)は演劇・映像文化を専門とし、研究の一環として本インタビューを敢行した。 インタビューに入る前に尾上さんの経歴をご紹介しておこう。尾上さんは1970年代に東映特撮の現場からキャリアをスタートさせ、1985年より特撮研究所に入所、1990年代以降にはデジタル化という時代の趨勢に寄り添いつつVFX、CG(コンピュータグラフィックス)、アニメーション、特撮といったあらゆる撮影技術を磨いたエキスパートだ。 実写版『進撃の巨人ATTACK ON TITAN』(2015)と『