「発達障害バブル」とも呼べる状況がある ―― そう警鐘を鳴らすのは精神科医の斎藤環氏。1998年に刊行した著書『社会的ひきこもり 終わらない思春期』(PHP新書)がベストセラーに(*)。『Hikikomori: Adolescence Without End』(ミネソタ大学出版)として英訳された同書は、今や英語にもなった「ひきこもり=hikikomori」の存在を国内外に広く知らせた。「精神科医だが発達障害の専門家ではない」という立場から、発達障害をめぐる現状にどのような問題を感じているのか。近著『発達障害大全』(日経BP)が話題の黒坂真由子がインタビューした。 【関連画像】斎藤環(さいとう・たまき)。1961年岩手県生まれ。精神科医。筑波大学名誉教授。オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン(ODNJP)共同代表。専門は思春期・青年期の精神病理学。「ひきこもり」の支援・治療・啓蒙活動