取材・文◎吉岡洋美 それぞれメンバー個々の仕事や活動が活発になるなか、1988年のライブを最後に活動休止した水玉消防団。ここからの2回は本連載のストーリーテラーで、現在も現役で音楽活動を続ける天鼓、カムラに、それぞれ水玉休止以降から現在までをインタビュー形式にして、連載を締めることにしよう。 まず今回は、水玉休止のあと日本を離れ、現在ロンドン生活が35年となるカムラにその後の音楽活動の軌跡を聞いた。 ◇ 水玉活動休止前年の1987年、カムラは天鼓主宰の即興ユニット「UZO-MUZO」に竹田賢一、石渡明廣とともに参加、ヨーロッパツアーを行い、ツアーが終わったその足で在ロンドンのある日本人女性を訪ねる。その女性こそ、カムラにロンドン在住のきっかけを与えた、フランク・チキンズのホーキ・カズコだ。フランク・チキンズは1982年、ホーキとタグチ・カズミの在英日本人女性によってロンドンで結成された音楽