人口と経済成長は切っても切り離せない関係だ。日本は超少子高齢化社会をひた走り、労働者の減少で消費が低迷し、1人当たりの社会保障負担が増している。『人口は未来を語る』(NHK出版)が話題の英国の人口学者が「100年後の未来」を語る。(人口学者 ポール・モーランド 取材/国際ジャーナリスト 大野和基) 【この記事の画像を見る】 ● 人口は「歴史の原動力」 今後100年で劇的に変化するのはどこ? 私が15年ほど前、日本の経済セミナーに招待されたとき、皆さん、経済についてあれやこれやと述べているのに、Demography(人口動態、人口学)そのものについて真剣に考えている人は誰もいないと感じました。しかし最近になってようやく、日本も人口動態の重要性について気づき始めたと思います。人口動態を理解しなければ、特に80年代のバブル経済~その後の長い停滞に関する問題をひとかけらも理解できないですからね。