日本社会の様々な領域で、組織にしがらんだ構造的な腐敗が露わになっている。それに対して、時には直情的に声を荒げて怒りを表現することもあるけれど、どうしたら問題が伝わるか、多様な声を磨く必要もありそう。しなやかに抗議して生きる、その方法を探る──。(前篇/中篇からつづく後篇記事) 司会・和田靜香 構成・矢内裕子 「左? 私、まっすぐ立ってますけど!」 ──昨年は芸能界だけでも、ジャニーズ、宝塚、年末には吉本、もういろいろな問題が出てきました。 松尾 もちろん、それぞれに個別の事情があるので個別に検証すべきなのは大前提ですが、俯瞰したら「どれも形が似てない?」とは思いますよね。組織の上から下へ、逃れようがないところで起きたハラスメントであるわけです。そこには共通する構造的な問題があり、同根の理由があると考えるのが自然。もっともっとズームバックしたら、この国のカタチが見えてくるんじゃないかな。 小