文・写真:土井大輔 柳美里(ゆう・みり)小説家、劇作家 1968年、茨城県土浦市生まれ。高校中退後、ミュージカル劇団「東京キッドブラザース」を経て、87年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。93年、『魚の祭』で第37回岸田國士戯曲賞を最年少で受賞。96年、『フルハウス』で第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。97年、『家族シネマ』で第116回芥川賞を受賞。2020年、『JR上野駅公園口』で全米図書賞(翻訳部門)を受賞。15年から福島県南相馬市に居住。18年4月、南相馬市小高区の自宅でブックカフェ「フルハウス」をオープン。 福島県南相馬市は南北に長く、南は東京電力福島第一原子力発電所が立地し「警戒区域」となった双葉郡と接しています。そのため、東日本大震災では津波だけでなく、原発事故による放射能汚染の被害も受けました。震災から10年が経とうとしている今も、市内には放射線量が高い「