相次ぐ米兵の性的暴行事件は、なぜ沖縄県に知らされなかったのか 「隠蔽」「形骸化」…指摘が浮き彫りにする、日米安保を取り巻く問題点 沖縄県で今年、3人の米兵が性的暴行事件で起訴された。しかし当初、これらの事件は警察からも外務省からも、沖縄県に伝えられていなかった。連絡するルートはあったが、機能していなかった。米軍関係者の性犯罪をあたかも“隠蔽”していたとも映る実態。自治体への情報提供体制が形骸化していることが、あらためて露わになった。 沖縄を含む南西諸島は、日米の対中国戦略の最前線だ。米兵による卑劣な犯罪や、過重な基地負担といった住民の不安・不満に、日米両政府が真剣に向き合わなければ、日米安全保障体制の足元はぐらつきかねない。(共同通信=吉岡駿、永井なずな) ▽少女誘拐 「『やめて』『ストップ』と言った」 「被害に遭って夜も眠れなくなり、外に出ることが怖くなった」 8月23日、那覇地裁。16