ベリー・ゴーディ・ジュニアは1959年1月12日にモータウン・レコードを創業したが、そのはるか以前から生まれ持った起業家精神を発揮していた。そしてデトロイト発の同レーベルが驚異的なペースでヒット作を世に放ち始めると、ゴーディはすぐに次なる野望を口にするようになった。それは、映画/テレビ産業における世界の中心地であるハリウッドで仕事をしたい、ということであった。 そうしてモータウンは60年代を代表する名レーベルとして成功を収めてから間もなく、映画業界とも関係を持つようになったのだ。モータウンから生まれた数々のヒット曲同様、その道のりを振り返れば、アメリカの黒人社会がいかにしてポピュラー文化に大きな影響をもたらしてきたかを窺い知ることができる。 <関連記事> ・人種の壁を破ったモータウン:肌の色・宗教を超えてファン層を広げた黒人レーベル ・モータウン初の全英アルバム1位はフォー・トップス Th