今ほど環境が注目される以前のこと、国内生産していたある部品を海外に切り替えた。すると、工場側からは一斉に文句があがった。今まで通函(かよいばこ)、梱包箱を再利用する運用ができていたのに、使い捨ての箱にかわって、ごみばかりが増えてどうにもならないと言われた。 梱包や輸送の費用を最小化するように苦心した箱だったが、その苦労が一瞬のうちに否定され、おまけにカウンターパンチを食らったような気分になった。 海外製に切り替え、部品コストは下がったが、工場での経費は増えた。当時はその費用比較でことなきを得たが、工場の指摘はもっとものことだった。 ごみが増えれば、その処分費用がかさむ。 それを燃やせば余分に二酸化炭素も排出される。当時はまだそれほど環境のことは考えていなかった。ただ、以後、ごみ、ムダのことが気にかけるようになった。 電化製品を作るにも鉄やアルミ、プラスチックスと様々な素材を利用する。それら