化学業界のオープンイノベーション推進に向け、2017年度より物質・材料研究機構(NIMS)と化学系大手メーカー4社(旭化成、住友化学、三井化学、三菱ケミカル)は水平連携による「マテリアルズ・オープン・プラットフォーム」(化学MOP)を開始した。個社では実現が難しい、化学業界各社に共通する課題の解決を目指している。 5者で協力しあうことの利点は多くある。例えば、数百種類のポリオレフィンについて数万点規模のデータを欠損データなく得られており、ポリマー材料では他に類を見ない緻密かつ網羅的なデータベースを構築することができている。また、それぞれのデータが全て実験の生データと正確にひも付けられている特徴も持つ。 このデータベースを基に、マテリアルズ・インフォマティクス(MI)を活用した高分子の性能予測技術を同じく5者で共同開発しており、より洗練された技術開発につながっている。 研究成果の一部を紹介し