米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)によると、ドルの下落は始まったばかりで、新興国通貨に対して下げ余地があるという。 PIMCOの香港在勤ポートフォリオマネジャー、スティーブン・チャン氏は、ドルは主要通貨に対して下落したものの、貿易加重ベースではまだ2%程度上昇しており、2019年平均に比べてドル高だと指摘。米国の追加景気刺激パッケージの議会通過が重要な節目になると付け加えた。 チャン氏は「まだドル安の序盤にある」とし、 「注意すべき重要な要素は、米国での景気刺激策第4弾が可決されるかどうかで、さもなければ財政支援が途切れ、著しいリスクオフと米ドル高につながる」と予想した。 トランプ政権が新型コロナウイルス感染拡大の抑制に手間取り、米金融当局が疲弊した経済の支援で無制限の流動性供給を約束している状況にあって、ドルの下押し圧力は強まっている。ブルームバーグ・ドル・スポ