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cinraの検索結果361 - 400 件 / 3509件

  • 「私って動物やったんやな」。カナダでがんを経験した西加奈子が語る、自分の身体を取り戻すまで | CINRA

    2021年、長期滞在先のカナダで浸潤性乳管がんを宣告された作家の西加奈子。乳がんの発覚から治療を終えるまでの約8か月間を書いた著者初のノンフィクション作品『くもをさがす』は、2023年4月に刊行されて以来重版を重ね、同年11月に丸善ジュンク堂書店による『書店員が選ぶノンフィクション大賞 オールタイムベスト2023』大賞を受賞した。 西は作品のなかで綴る。「乳がん」という病を通じて向き合った、自分自身の肉体と精神のこと。「こうあるべき」という社会の視線から解放された心地よさ、自分をわかったうえでの自己責任によって気づかされたこと。作品内の「あなたの身体のボスは、あなただよ」という言葉にはハッとさせられる人も多いだろう。 賞の受賞式典後、西加奈子が考え続けてきた「自分の身体を取り戻すこと」について話を聞いた。 ─『書店員が選ぶノンフィクション大賞 オールタイムベスト2023』大賞の受賞、おめで

      「私って動物やったんやな」。カナダでがんを経験した西加奈子が語る、自分の身体を取り戻すまで | CINRA
    • 愚かな富裕層を笑い、庶民の願望を満たす?米映画やドラマで「金持ちを喰らえ」がブーム | CINRA

      メイン画像:『メディア王~華麗なる一族~ シーズン4』 U-NEXTにて見放題で独占配信中© 2023 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc 2022年、アメリカの流行ワードのひとつは「ネポベイビー(nepo baby)」だった。コリンズ英語辞典にも登録されたこの言葉は「縁故主義の赤ちゃん(nepotism baby)」の略称。有名な親を持つゆえに有利なキャリアスタートを切れる二世セレブの特権を皮肉るものだ。該当者を馬鹿にする風潮が加熱したこともあって、ハリウッドスターを両親に持つベテラン俳優、ジェイミー・リー・カーティスが「人を傷つける目的の言葉はよくない」と訴えるなど、議論を呼んだ。

        愚かな富裕層を笑い、庶民の願望を満たす?米映画やドラマで「金持ちを喰らえ」がブーム | CINRA
      • 鈴木慶一とフィールドレコーディング。録音や音効に興味を持った少年時代。音の原風景を振り返る | CINRA

        東かほり監督の映画『ほとぼりメルトサウンズ』が公開された。祖母の家だった空き家を訪れた女性、コトと、その家の庭にダンボールハウスをつくって住んでいる不思議な老人、タケ。タケは街の音を録音しては、それを土に埋めて「音のお墓」をつくっている。いろいろな理由で一軒家に集まった人々の奇妙な日常を描いた物語だ。 タケを演じるのは、近年、映画音楽の世界でも活躍し、俳優としての出演も相次ぐ鈴木慶一。音収集のためにマイクを持って町をさまようタケの姿は、さまざまな音楽に耳を傾けて斬新な音づくりに挑んできた鈴木とどこか重なるようでもある。 東監督は「この映画は生活の音を集めるシーンが出てきます。音を通じて家族との思い出や、これからの人生を少しでも想像していただけたら嬉しいです」とコメントしているが、鈴木はこれまでの50年以上におよぶ音楽人生において、どんな風に「音」と関わってきたのだろう。録音に夢中になった少

          鈴木慶一とフィールドレコーディング。録音や音効に興味を持った少年時代。音の原風景を振り返る | CINRA
        • 映画ポスターやパンフレットをどうデザインする? アートディレクター・石井勇一が語る裏話 | CINRA

          「The Worst Person In The World」という原題を翻案した日本語タイトルのインパクトもさることながら、日本版のポスターやチラシなど、そのビジュアル展開においても、細やかな仕掛けとこだわりにあふれているヨアキム・トリアー監督の映画『わたしは最悪。』。その日本版アートワークを担当したのは、『ムーンライト』『燃ゆる女の肖像』『mid90s ミッドナインティーズ』『ライトハウス』といった洋画、『花束みたいな恋をした』『はい、泳げません』といった邦画の日本版アートディレクションを手掛けたことで知られるアートディレクター・石井勇一だ。 石井は、『わたしは最悪。』という映画に何を感じ、それをどのようにデザインへと落とし込んでいったのだろうか。デザイナーは、ポスターやパンフレットの制作にあたりどのように映画を見ているのか、また、映画にとってポスターやパンフレットはどのような役割を持

            映画ポスターやパンフレットをどうデザインする? アートディレクター・石井勇一が語る裏話 | CINRA
          • 【前編】ヤマシタトモコ×岩川ありさが語る「物語の力」:『違国日記』のフェアさ、社会と物語の関わり | CINRA

            漫画、小説、映画やドラマ──さまざまな「物語」が私たちの日常を彩り、ときに新たな気づきを与えてくれたり、ときに怒りの原動力となったり、その存在は多くの人にとって欠かせないだろう。 現代日本文学を中心に、クィア批評とトラウマ研究をしている岩川ありささん。2022年に刊行した『物語とトラウマ: クィア・フェミニズム批評の可能性』(青土社)で「トラウマ的な出来事を経験した人びとにとって、文学や文化は生きのびるための表現となりうるのか」という問いから現代小説を丁寧に読み解き、物語の必要性について切実な言葉で語る。 「物語に居場所を見つける」「物語に救われる」という感覚──ヤマシタトモコさんによる漫画『違国日記』(FEEL COMICS swing、祥伝社)でも、物語の力を信じる少女小説家と彼女らから言葉を受け取る少女たちが描かれる。 今回はそんなふたりを迎えて「物語が持つ力」をテーマに対談を実施。

              【前編】ヤマシタトモコ×岩川ありさが語る「物語の力」:『違国日記』のフェアさ、社会と物語の関わり | CINRA
            • 45歳以上の女性たちに機会を。イギリスの俳優ら100人超が業界変革求めるオープンレター | CINRA

              イギリスの俳優や著名人らが、業界におけるエイジズム(※)を終わらせ、45歳以上の女性のスクリーン上のレプリゼンテーションを改善することを求め、オープンレター(*1)を公開した。 「今日の引く手数多な若手女性俳優は、明日の無職の中年女性俳優です」と綴られたオープンレターは、4年前に設立されたイニシアチブ「Acting Your Age Campaign(AYAC)」によって5月28日に発表され、100人を超えるイギリスの著名人が署名。女性俳優は男性俳優に比べて年齢を重ねると出演機会が激減する現状を訴え、イギリスの映像作品や番組における、45歳以上の男性と女性の平等なレプリゼンテーションの実現を呼びかけている。 「女性をターゲットにしたエイジズムは、時代遅れで有害な、業界に染み付いた定番であり、私たちの人生を物語る45歳以上の女性の姿を喜ぶ、何百万人もの観客をないがしろにしている」(オープンレ

                45歳以上の女性たちに機会を。イギリスの俳優ら100人超が業界変革求めるオープンレター | CINRA
              • お父さんはユーチューバー / 美術のトラちゃん | CINRA

                世の中には、さまざまなコンセプトの美術作品が存在します。理解できないものもあるけれど、少しでもヒントを得られれば、美術を楽しむスタートラインには立てるはず。トラの親子とともに、美術の見方や面白さを学んでいきましょう。3話目は、トラちゃんのお父さんがYouTubeデビュー。「美術の解説動画を投稿する!」と意気込んでいます。 パピヨン本田(ぱぴよん ほんだ) 1995年生まれの作家。2021年5月よりTwitterに漫画をアップし始める。静けさや、岩をも砕くパワフルパンチ。セミをも超えた令和セミ、寿命が千年。亀は満点通信講座。よろしくお願いします。 パピヨン本田 (@papiyonhonda) / Twitter

                  お父さんはユーチューバー / 美術のトラちゃん | CINRA
                • 「独立」の甘言に流されないで。ジェーン・スーと堀井美香が問い直す、フリーランスという働き方 | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                  「個の時代」とも呼ばれる近頃、この先の人生を見つめ直し、新たな働き方にチャレンジする人が増えている。リスナーからのお便りをもとに、日常の悲喜こもごもを軽快なトーンで語り尽くす人気ポッドキャスト番組『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』のパーソナリティーを勤める堀井美香も、そのひとりだといえるだろう。今年4月に長らく勤めたTBSを退社し、独立。現在はフリーのアナウンサーとして仕事をするかたわら、自身のプロジェクトとして朗読会を主催するなど、精力的に活動を行なっている。 今回、Kompassでは堀井と、同じく『OVER THE SUN』でパーソナリティーを担当し、「非会社員」としての生活も長いジェーン・スーにインタビューを実施。堀井がこのタイミングで「沖に出た」理由から、フリーランスで働くことの根幹をどう捉えているか、そして100回目を迎えようとする『OVER THE SU

                    「独立」の甘言に流されないで。ジェーン・スーと堀井美香が問い直す、フリーランスという働き方 | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                  • 蘇る50年前NYの歴史的フェス。黒人文化と誇りを祝福する記録映画 | CINRA

                    1969年の夏、『ウッドストック・フェスティバル』が行なわれたのとほぼ同時期のアメリカで、『ハーレム・カルチュラル・フェスティバル』が開催された。『ウッドストック』の会場から約130km離れたニューヨーク・ハーレムの公園に集ったのは、スティーヴィー・ワンダーや、B.B.キング、Sly & the Family Stone、ニーナ・シモンら錚々たる面々。さらにアフリカンアメリカンの文化人、政治指導者も参加し、警備はブラックパンサー党が援助。6週間で30万人の観客がこの一大イベントを目撃した。 しかし、このイベントは『ウッドストック』のように音楽史に残る歴史的出来事として広く知られることはなかった。フェスを記録した映像はその後に日の目を見ることなく、約50年のあいだ、地下室に眠っていた。 映画『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』は、近年発掘された同フェスの映像に

                      蘇る50年前NYの歴史的フェス。黒人文化と誇りを祝福する記録映画 | CINRA
                    • 『アングスト/不安』の怖さ。殺人が論理的答えとして導き出される | CINRA

                      1983年に発表されるも、いままで日本で劇場公開されず、本国オーストリアでは一週間で打ち切り、世界各地で上映禁止となっていた、いわくつきの映画がある。そんな本作『アングスト/不安』は、実際にオーストリアで起きた一家惨殺事件を基に、猟奇的な殺人犯の視点から、凶行の一部始終をじっくりと見せていく映画だ。そう聞くとこれが当時、問題作として危険視されたというのは理解できるところである。 それから30数年経った現在、この作品がついに日本で初めて劇場公開されるという。なぜ、いまなのか。そして、なぜ公開する価値があるのか。そのような疑問は、本作を実際に観ることで、一気に氷解した。ここでは、そんな本作が、どのような作品なのかを解き明かしていきたい。 実際に起きた凄惨な事件を、無機質な音楽と斬新なカメラワークで、常に「冷静に」描き切る 本作の主人公「K」のモデルになっているのは、1980年代オーストリアの凶

                        『アングスト/不安』の怖さ。殺人が論理的答えとして導き出される | CINRA
                      • 菅野薫らDentsu Craft Tokyoが個の時代に語る、「チーム」の価値 | CINRA

                        2019年3月1日より始動した「Dentsu Craft Tokyo」は、総勢31名のクリエイターやプロデューサーが会社の枠組みを超えて集結した「クリエーティブハウス」。テクノロジー、デザイン、プロデュース各領域のヘッドに各社のトップクリエイターを据えることで、これまでの広告コミュニケーションにはなかった新たな表現方法や制作体制、そして人材育成のあり方を模索していくという。 フリーランス人口の増加やインフルエンサーの台頭を背景に、個人が強い力を持つ「個の時代」と呼ばれるようになっているが、その一方で課題も浮き彫りに。どれだけ優秀な人であっても、予算の大きなプロジェクトを個人で請け負うことはなかなか難しいだろうし、活動の規模も一気にシュリンクしがちだ。 その中において、「Dentsu Craft Tokyo」の動きは「個」ではなく、「チーム」の価値を再定義するものになっている。彼らはどのよう

                          菅野薫らDentsu Craft Tokyoが個の時代に語る、「チーム」の価値 | CINRA
                        • カウンター文化はサブカルに。時代の転換点を当事者たちが語る | CINRA

                          イラストレーションは絵画より地位が低いとされていたように、かつてカルチャーには階級があった。そうした価値観が壊れ、すべてのカルチャーが同列になった現在の状況は、いつどのように生まれたのか。今回はその当時をよく知る人々に話を聞いた。伝説の雑誌、月刊『ビックリハウス』(パルコ出版)を創刊した萩原朔美、榎本了壱と、それを観察していた社会学者の上野千鶴子の3名だ。 3人は教訓・ことわざ・標語・コマーシャルコピーなどのパロディー作品を一般人が投稿する「お笑いカレンダー」として、商品化40年の歴史を持つ『御教訓カレンダー』2020年度版の審査員を務めた。もともとは、1970年代後半から1980年代前半にかけて、若者たちから熱烈な支持を獲得していた雑誌『ビックリハウス』の人気コーナーの1つだったという『御教訓カレンダー』。それが、当時のカルチャーに与えた影響とは、果たしてどんなものだったのか。そして、『

                            カウンター文化はサブカルに。時代の転換点を当事者たちが語る | CINRA
                          • ドラマ『ここぼく』が描いた日本社会のいま。危機感と真実の追及 | CINRA

                            ※本記事は『今ここにある危機とぼくの好感度について』の結末に関する記述が含まれています。あらかじめご了承下さい。 (メイン画像:『今ここにある危機とぼくの好感度について』番組サイトより) 『ワンダーウォール』とも通じる、日本全体を覆う「うやむや」な雰囲気を描く ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』(NHK総合)が5月29日に最終回を迎えた。 本作は、好感度ばかりを気にして、内容のあることを一切言わない元アナウンサーの神崎(松坂桃李)が、かつての恩師に声をかけられ、大学の広報に転職するところから物語が始まる。大学の仕事でも好感度だけでやっていこうと考えていた主人公が、大学に巻き起こるトラブルに対処するうちに、自分の在り方だけでなく社会の在り方についても考えざるを得なくなっていく姿をコミカルに描いている。 このドラマがスタートしたとき、同じく渡辺あやが脚本を手がけた2018年のNH

                              ドラマ『ここぼく』が描いた日本社会のいま。危機感と真実の追及 | CINRA
                            • 河合優実が語る『あんのこと』。薬物依存や過酷な家庭環境……現実のなかに映画が見出した「救い」 | CINRA

                              飛ぶ鳥を落とす勢い、というお決まりのフレーズが、いまこれほどリアルにハマる新鋭俳優もほかにいない。そう、現在23歳の河合優実だ。2019年のデビュー以来、卓越した演技力や存在感で業界内外の注目をぐんぐん集め、2022年には『由宇子の天秤』(監督:春本雄二郎)や『サマーフィルムにのって』(監督:松本壮史)などの演技で『キネマ旬報ベスト・テン』新人女優賞、『ブルーリボン賞』新人賞、『ヨコハマ映画祭』最優秀新人賞を獲得。今年(2024年)は宮藤官九郎脚本のTBSドラマ『不適切にもほどがある!』の“昭和の高校生”純子役で大ブレイクを果たし、幅広い層におなじみの顔となった。 さらに5月、『第77回カンヌ国際映画祭』監督週間に正式出品され、国際批評家連盟賞に輝いた主演作『ナミビアの砂漠』(監督:山中瑶子)も今年夏の公開が予定されている。本人の芝居もさることながら、出演作の質の高さに定評があり、最前線に

                                河合優実が語る『あんのこと』。薬物依存や過酷な家庭環境……現実のなかに映画が見出した「救い」 | CINRA
                              • 文章が「音楽」に。AI作曲は音楽家にとって脅威か、よきツールか。来るべき音楽制作の未来を考える | CINRA

                                2023年6月、The Recording Academyは『グラミー賞』における楽曲内でのAIの活用に関するルール、ガイドラインを発表。同アカデミーCEOのハーヴィー・メイソンJr.は、「AIの歌っている声やAIの楽器があれば検討する」とつけ加えながらも、ソングライティングに関するカテゴリーにおいては「そのほとんどが人間によって書かれたものでなければならない」とし、パフォーマンス部門においても「対象となるのは、人間のパフォーマーだけです」と「GRAMMY.com」のインタビューで回答した(※1)。 現時点では、音声変換によるAIの声真似(ディープフェイク・オーディオ)によって故人の声をも再現可能となり(※2)、AIによって生成されたドレイクとThe Weekndの歌声を用いた楽曲、ディープフェイクによるフランク・オーシャンの偽のリーク音源が出回るといったケースまで出てきている。その一方で

                                  文章が「音楽」に。AI作曲は音楽家にとって脅威か、よきツールか。来るべき音楽制作の未来を考える | CINRA
                                • ずっと真夜中でいいのに。 ACAねの歌と実験的な音楽性の繋がり | CINRA

                                  2020.08.05 Wed Sponsored by ずっと真夜中でいいのに。『朗らかな皮膚とて不服』 ポップミュージックにおける「歌」とは。アーティストの個性を形作るもの 音楽を聴く上で「歌の上手さ」を優先順位の上位において考えたことがない自分のような人間にとって、近年になって頻繁に見かけるようになったテレビの歌番組のアンケートやネットの記事などの「歌が上手いと思うアーティスト」ランキングみたいなものは、謎でしかなかった。え? 「歌の上手さ」ってそんなに大事? というか、そもそもどんな基準をもって「歌の上手さ」を判断してるの? 音域の広さ? ハイトーンの伸び? それって、カラオケ選手権みたいなものと何が違うの? あるいは一番大事なのが歌声の表現力だとして、それって限りなくリスナーそれぞれのテイストの領域なのでは? いきなり前言を翻すようだが、自分が日常的に好んで聴いているアーティストは

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                                  • 荏開津広×渡辺志保が語る、2020年の注目プロデューサー | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                    シンガーやラッパーとは異なり、本来は裏方であったはずの「音楽プロデューサー」。普段、彼らにあまり注目していない人も多いかもしれない。しかし、彼らに着目することで、これまでとは異なる音楽の聴き方ができるはずだ。 世界の音楽シーンに精通するライター渡辺志保と、多彩なカルチャーに横断的な視点を向ける荏開津広による対談の第3回。今回は、2人が「プロデューサー」という人々を意識した瞬間を振り返るとともに、2020年注目のプロデューサーを紹介する。 左から:渡辺志保、荏開津広 ―今回、「プロデューサー」に焦点をあててお話をお聞きしたいと思います。そもそも、お二人がリスナーとして最初にプロデューサーというポジションを意識されたのはいつからですか? 荏開津:それまでもポップミュージックは聞いていたんですけど、ジャンルとしてはヒップホップからですね。本格的に音楽を聴き始めたのはヒップホップからなので。 渡辺

                                      荏開津広×渡辺志保が語る、2020年の注目プロデューサー | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                    • デジタルディストリビューターが見た、日本の音楽業界の現在地 | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                      目下、急成長中の音楽配信市場。2012年に設立された国内デジタルディストリビューターの先駆けTuneCore Japan(以下、TCJ)が5月に公開した統計「MUSIC YEARLY STATS 2020」によると、2020年のアーティスト、レーベルへの還元額は前年比168%の71億円に達し、累計では170億円に到達したという。 これは近年のストリーミングサービスの普及を前提に、YouTubeやTikTokといったエコシステムが整備されたこと、コロナ禍がデジタルの利用を後押ししたことなどが原因だと考えられるが、何よりインディペンデントアーティストの継続的な活動を支え続けてきたTCJ自身の功績だといえよう。 そんなTCJのスタートから9年が経過し、現在では国内にも複数のデジタルディストリビューターが存在するが、そのなかで最も新しい部類に入るのが、音楽プロダクションのHIP LAND MUSI

                                        デジタルディストリビューターが見た、日本の音楽業界の現在地 | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                      • 在宅ワークを快適に。コロナ禍でさらに注目の音声メディアを紹介 | CINRA

                                        コロナ禍以降、在宅ワークが進み外出も制限され、気軽に人と会うことがままならなくなって、かれこれ一年半以上が経つ。日常が大きく変化したなかで、仕事とのオンオフがつきにくくなったり、孤独を感じやすくなったという声も多く聞く。 そんななか、近年注目されるラジオやポッドキャストなどの音声メディア。「誰かの他愛のない話」をこっそり聞けるような感覚があったり、パーソナリティーが自分だけに話してくれているような親密さを感じられたりと、いまを生きる人たちの「心のよりどころ」になっていることが人気の理由かもしれない。 そんな「音声メディア」について、かねてからラジオやポッドキャストを愛聴し続け、自身のポッドキキャスト番組も持つライターの黒田隆憲氏がその魅力を綴る。長く愛される芸人の深夜ラジオから、スターバックスが配信するポッドキャスト番組『STARBUCKS® BLACK COFFEE SHOT -Stor

                                          在宅ワークを快適に。コロナ禍でさらに注目の音声メディアを紹介 | CINRA
                                        • 崎山蒼志と君島大空、2人の謎を相互に解体。しかし謎は謎のまま | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                          このふたりが並ぶ姿を、待ち望んでいた人は多いかもしれない。崎山蒼志の2ndアルバム『並む踊り』に収録された君島大空とのコラボレーション楽曲、“潜水”。兼ねてより影響を公言し合っていたふたりが作り上げたのは、「個」と「個」がせめぎ合い、摩擦を起こし、その状態がそのまま「瞬間」に突き立てられたような1曲。その人にしか持ち得ない「声」を、「言葉」を、「生」を、実直に音楽に刻む――そんな道を突き進むふたりの音楽家の出会いは、こんなにも激しいうねりと、微細な輝きの連鎖をまとって、私たちに届けられた。 今回、崎山と君島による対談を敢行した。終始穏やかなトーンで進んだふたりの対話は、お互いへの尊敬に満ちた、とても幸福なものとなった。 左から:君島大空、崎山蒼志 君島さんの音楽は、今ある言葉で言える感じがしないくらい、すごいなって思っていて……。(崎山) ―崎山さんの2ndアルバム『並む踊り』に収録された

                                            崎山蒼志と君島大空、2人の謎を相互に解体。しかし謎は謎のまま | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                          • Netflix『40歳の解釈』ラップで表現する中年女性の実感と社会批評 | CINRA

                                            若さと「美しさ」に価値を置かれるメディアのなかの女性像 Netflix映画『40歳の解釈:ラダの場合』で、ラダ・ブランクは自分の実人生を織り込んだ架空のキャラクター「ラダ」を作りあげ、自ら演じている。映画の中のラダはニューヨークに暮らす劇作家。もうすぐ40歳になる黒人女性だ。だいぶ前に業界誌で将来有望な「30歳未満の30人」に選ばれたこともあるが、何年も新作を発表できずにいる。 ここ数年の主な収入源は、高校生の演劇ワークショップを指導する仕事だ。生徒は基本的にやる気のあるいい子たちなのだけれど、ときには「ヒット作もない人がなんで脚本を教えるの?」なんて手厳しい言葉をぶつけられることも。ラダは新作を上演する道を探って劇場主やプロデューサーに会いに行くものの、なかなか耳を傾けてもらえない。壁にぶちあたった彼女は、ひとり部屋で心に浮かぶ言葉を口に出すうちに、ラップで「40歳の女性の視点」を表現し

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                                            • 「グラミーに代わるアワードを」ヒップホップ文化の威信をかけ『グラミー賞』ボイコットの動きが | CINRA

                                              『第64回グラミー賞』の授賞式が4月4日(日本時間)に行なわれた。 華々しい授賞式から遡ること約2週間前、『グラミー賞』をボイコットしようとする動きが起こった。その発火点となったのは、ヒップホップコミュニティ。レーベルオーナーであるJ. Princeが『グラミー賞』による黒人文化の搾取と支配を痛烈に批判したのだ。さらにJ. Princeは『グラミー賞』授賞式と同じ日時にヒップホップのイベントを開催するよう呼びかけ、MigosのQuavoらが賛同するなど波紋を呼んだ。 一体なぜこのようなことが起こったのか? 近年、『グラミー賞』とブラックカルチャーのあいだで起こった出来事を振り返り、首謀者である J. Princeの意図するところを探った。

                                                「グラミーに代わるアワードを」ヒップホップ文化の威信をかけ『グラミー賞』ボイコットの動きが | CINRA
                                              • 「人間らしさ」を映し出す妖怪たちはいまどこに? なぜ人は怪異に魅せられてきたのか、小松和彦に聞く | CINRA

                                                不思議なこと、不条理なことは多い時代だが、それはもっぱら「人」の行ないに依存している。そんなときこそ妖怪だ! 妖怪の持つ怪奇や謎はさまざまだが、そこにはロマンだけでなく畏れがある。 かつて人々は、身の回りに起こった不思議なことを、狸や狐といった動物の仕業として理解し、それを怪異として受け入れてきた。都市化した生活を得るなかでも遭遇する、科学的には説明できない出来事。私たちは妖怪や幽霊といった存在のリアリティーを巧みに取り入れながら、不思議なことと付き合ってきた、と言えるかもしれない。 妖怪研究の第一人者である小松和彦は、広い意味で日本人の社会規範や心象を「妖怪」という不可視の存在から浮かび上がらせる研究を続けてきた。 では、あらゆる物事が説明可能であるような、SNSやネットのなかにあらゆる答えが用意されている……と人々が思ってしまうような現代社会のなかで、妖怪や怪異はどんな意味・意義をもっ

                                                  「人間らしさ」を映し出す妖怪たちはいまどこに? なぜ人は怪異に魅せられてきたのか、小松和彦に聞く | CINRA
                                                • パソコン音楽クラブが語る「生活」の音 非日常下で見つめた自然 | CINRA

                                                  1980年~1990年代のシンセサイザーを駆使しながら現在進行形のポップミュージックを奏でる2人組、パソコン音楽クラブ。深夜のファミレスやコンビニエンスストア、河川敷の遊歩道など、日本に暮らす人なら誰もが目にする風景の、ふとした非日常的な瞬間にインスパイアされた楽曲の数々は、近未来的でありながらもどこか郷愁を誘う不思議な響きをたたえている。 二人が昨年8月にリリースした6曲入りのミニアルバム『Ambience』は、新型コロナウイルス感染拡大によるステイホーム期間中、自分たちの生活を取り巻く空気を描いたというインスト曲集。緊急事態宣言によって都市部はゴーストタウン化し、非日常的な光景が日常となってしまった世界で、彼らは当時どんなことに心動かされながら音楽活動を行なっていたのか。 CINRA.NETでは、AVIOTのワイヤレスイヤホン「TE-BD21j」の企画で、パソコン音楽クラブの西山と柴田

                                                    パソコン音楽クラブが語る「生活」の音 非日常下で見つめた自然 | CINRA
                                                  • 多様化するK-POPコンテンツとファンコミュニティ、その魅力と課題を考察 | CINRA

                                                    今年1月から放送された、韓国の大手音楽事務所JYPエンターテインメントとソニーミュージックによるオーディションプロジェクト『Nizi Project』は、『スッキリ』での後押しもあって大きな話題を呼んだ。プロデューサーであるJ.Y. Parkの指導法やキャラクターも人気を集め、同番組から誕生したガールズグループNiziUのプレデビュー曲は、オリコン週間デジタルランキングで初登場1位を獲得した。韓国のオーディション番組『PRODUCE 101』の日本版から生まれたボーイズグループJO1も今年デビューをし、着実にファンを増やしている。日本では近年とくに食やファッション、コスメをはじめとする韓国のカルチャーが若者を中心にトレンドの一つとなっているが、音楽においてK-POPとJ-POPの境界を曖昧にするような試みが日本の消費者の心を掴んでいるのも興味深い現象だ。また世界では、BTSやBLACKPI

                                                      多様化するK-POPコンテンツとファンコミュニティ、その魅力と課題を考察 | CINRA
                                                    • Hump Backが「生活」を歌う理由。人の優しさを信じるために | CINRA

                                                      弱音を吐かず前を向いて生きていこうと焚きつけるライブでの姿には強さと頑固さが強烈に滲みつつ、歌の中では、自分や人の生活の中にある悲しみも抱き締めようとする。笑顔と涙、喜びと切なさ。それらを相反するものとして捉えて引き裂かれることもなく、「そりゃそうでしょ、だって生きてるんだから」と笑顔で語れるところがHump Back・林萌々子の面白さであり、彼女らの歌の核心になっている。悲しいから楽しいことを求めるし、幸せがあるから落胆と切なさもあるーーそれらすべては生きていくことにおける同線上にあると歌い鳴らすのがHump Backの歌の居心地よさだ。 今ここにある生活を想い、誰もが必死に生きているのだと感じ取って、温かなメロディにしていく。そして人の生活を見つめれば見つめるほど、そりゃ毎日が思い通りになることなんてないよなと理解し、だからこそ爆音と大きな歌でここにある日常をなんとかドラマにしたいと願

                                                        Hump Backが「生活」を歌う理由。人の優しさを信じるために | CINRA
                                                      • 佐藤千亜妃とさとうもかが考える音楽活動の「やり方」と「あり方」。TikTokのバズのその先で | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                                        TikTok×Spotifyによるアーティスト応援プログラム『Buzz Tracker』で、それぞれマンスリーアーティストに選出されている佐藤千亜妃とさとうもか。今年発表の“夜をループ”や“魔法”がバズを起こしただけでなく、佐藤はきのこ帝国として2014年に発表した“クロノスタシス”が映画『花束みたいな恋をした』の影響もあって近年リバイバルヒットしたことも記憶に新しい。さらに、さとうは2020年発表の“melt bitter”がロングヒットを記録し、今年の『TikTok流行語大賞』にノミネート。こうした現象はサブスクやTikTokの現代における影響力の大きさをあらためて感じさせる。 さとうは先日、11月1日に独立を発表し、インスタライブで自らの気持ちを直接ファンに伝えた。こうしたSNSによるつながりはプラスの側面がある一方、その距離感の難しさや多様化するSNSごとの差異がアーティストのメン

                                                          佐藤千亜妃とさとうもかが考える音楽活動の「やり方」と「あり方」。TikTokのバズのその先で | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                                        • beabadoobeeとラブリーサマーちゃん、同世代の2人が好きな音楽について語り合う | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                                          今年7月にニューアルバム『Beatopia』をリリースしたbeabadoobeeことビー・クリスティ。フィリピン生まれロンドン育ちの彼女は、The 1975やWolf Alice、Pale Wavesなどを擁するDirty Hitからデビューを果たし、ビートルズやオアシスなど1960年代〜1990年代UKロックに影響を受けつつティーンが内包する不安定な心情を歌詞に投影し、Z世代を中心に熱烈な支持を集めている。新作ではThe 1975のマシュー・ヒーリーや、新進気鋭のシンガーソングライター、ピンクパンサレスなど豪華ゲストを迎え、前作『Fake It Flower』(2020年)よりもさらにバラエティに富んだ世界観を展開した。 そんな彼女の音楽性に深く共感するのは、同じくUKロックに強い影響を受けたラブリーサマーちゃん。昨年リリースした3rdアルバム『THE THIRD SUMMER OF L

                                                            beabadoobeeとラブリーサマーちゃん、同世代の2人が好きな音楽について語り合う | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                                          • フィッシュマンズの音楽は世代を超える 崎山蒼志ら3人が綴る魅力 | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                                            メイン画像:『映画:フィッシュマンズ』© 2021 THE FISHMANS MOVIE フィッシュマンズというバンドがいる。ほぼすべての楽曲における作詞作曲を手掛けたボーカルの佐藤伸治が急逝したのはいまから20年以上も前。しかし、バンドが演奏を止めることはない。フィッシュマンズの音楽は色褪せることなく、それどころかいま、あらためて熱い視線を集めている。 バンドの軌跡を振り返るドキュメンタリー『映画:フィッシュマンズ』の予告編は、映画公開の本日までで既に11万回以上の再生数を誇る。コメント欄には、日本国内はもちろん、メキシコ、アメリカ、台湾、アイルランド、ドイツ、カナダ……じつにさまざまな国から書き込まれた、熱っぽいメッセージが200件以上も並ぶ。なかには「字幕をつけてくれるなら9,999,999ユーロ(10億円以上)払う」というコメントまで。 なぜこんなにもフィッシュマンズの音楽は、現在

                                                              フィッシュマンズの音楽は世代を超える 崎山蒼志ら3人が綴る魅力 | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                                            • 箭内道彦×今日マチ子 藝大で学んだ、個人と向き合うもの作り | CINRA

                                                              ものを作る上で大切なこととは。「風とロック」のクリエイティブディレクター箭内道彦と、漫画家・今日マチ子が対談。在学時期こそ違うものの、ともに東京藝術大学の卒業生である二人。その対話の中で浮き彫りになったのは、アートの存在意義であり、二人に共通するもの作りの基本姿勢だった。 ※この取材は東京都の外出自粛要請が発表される前に実施しました。 自分のできることを模索した。二人が学生時代を回想 ―箭内さんと今日マチ子さんは、今回が初対面なんですよね。 今日:きちんとご挨拶するのは初めてなんですけど、実は博報堂の入社試験の面接でお会いしてると思うんです。 箭内:え! 博報堂の入社試験を受けていたんですか? 今日:金髪の派手な方が作品を見てくれて、もしかしたら箭内さんかも? と思ったのですが、緊張しすぎていて、ちゃんと顔も見られず……。もちろん箭内さんのことは存じ上げていたのですが…(笑)。 箭内:金髪

                                                                箭内道彦×今日マチ子 藝大で学んだ、個人と向き合うもの作り | CINRA
                                                              • 一大ブームに沸いた中国ヒップホップはいま。若手ラッパーや関係者たちの声を聞く | CINRA

                                                                2017年にヒップホップブームが巻き起こった中国。MCバトル番組『The Rap of China』が半年で25億回の再生回数を達成するほどの大ヒットとなり、それまでアンダーグラウンドなジャンルだったヒップホップが一気に大衆的な存在となったと言われている。 それから4年、中国のヒップホップはいまどうなっているのだろうか? 88risingによって世界に紹介された成都発のヒップホップグループ「HIGHER BROTHERS」のアメリカでの成功も記憶に新しい。若者だけのMCバトル番組や、女性ラッパーにフォーカスした番組なども生まれ、新たな才能が発掘されているという。アイドルグループにもラップ担当がいるのが当たり前になった。 今回は、HIGHER BROTHERSの马思唯(マー・スーウェイ、MaSiWei)、女性アイドルオーディション『青春有你2』にも出演したラッパーの乃万(ナイワン、NINEO

                                                                  一大ブームに沸いた中国ヒップホップはいま。若手ラッパーや関係者たちの声を聞く | CINRA
                                                                • downy、音楽家たちに愛された20年 ミトら同志7人の手紙から辿る | CINRA

                                                                  日本のオルタナティブシーンを代表するバンド、downyが結成から20年の節目を迎えた。変拍子を駆使したハードコアサウンドとサイケデリックなVJを組み合わせた独自のスタイルで、NUMBER GIRLや54-71らとともに、異質な存在感を放っていた2000年代。活動休止期間(2004年12月~2013年10月)を挟んで、トラックメイクの色合いを強め、生のバンドサウンドとビートミュージックを組み合わせたような、現代的でありながら、やはり他の誰とも似ていない作品を生み落した2010年代。downyは常に革新的なバンドであり続けてきた。 2018年にオリジナルメンバーである青木裕が逝去し、サポートを務めていたトラックメーカーのSUNNOVAが正式メンバーとして加入するという、バンドにとって最大の変化を経て、通算7枚目となるアルバムが完成。タイトルはもちろん、「無題」である。 今回は、小林祐介(THE

                                                                    downy、音楽家たちに愛された20年 ミトら同志7人の手紙から辿る | CINRA
                                                                  • ISSUGIが語る、「なにをやらないか」が個性になる | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                                                    多作にして駄作なし。近年のISSUGIは凄まじいペースで作品をリリースしてきた。2017~18年にはコラボレーションプロジェクト『7INC TREE』『7INC TREE -Tree & Chamber-』で毎月新曲を発表し、その間に盟友BESとの共作アルバム『VIRIDIAN SHOOT』とそのリミックス盤を発表している。そしてこの12月には待望のソロアルバム『GEMZ』が発売される。このアルバムはBudamunkや WONKメンバーであるHIKARU ARATA、 KAN INOUEなどといったミュージシャンたちと制作された。 ISSUGIの魅力は楽曲や活動から醸し出されるセンスと一本気な姿勢だ。かっこよく生きるのが難しい時代。今回は彼に、「かっこよさ」の源泉を探るべきロングインタビューを敢行した。 ヒップホップゲームでの「勝ち上がり」を第一に考えたことはない。 ―ISSUGIさんはい

                                                                      ISSUGIが語る、「なにをやらないか」が個性になる | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                                                    • Foalsの歩みとともにライター4人が語る、2010年代のUKロック | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA

                                                                      2019.11.29 Fri Sponsored by Foals『Everything Not Saved Will Be Lost Part 1&2』 2008年、デビューアルバム『Antidotes』でUKロックシーンを席巻したFoals。Radioheadと同郷のオックスフォードで結成された彼らは、同時代のバンドたちがシーンの最前線から退場していくなか、力強いライブバンドとして、独自の美学を貫くアルバムバンドとして、この10年間黙々と表現を研ぎ澄ませていった。その独立独歩の物語は、米国市場でも受け入れられるほどの人気と高い評価とを両立させる現在の姿へと続く。 そんなFoalsが新作『Everything Not Saved Will Be Lost - Part 1』と『Part 2』を立て続けにリリースした。ヘビーロックからエレクトロニックミュージック、アフロポップまでを縦横無尽

                                                                        Foalsの歩みとともにライター4人が語る、2010年代のUKロック | Kompass(コンパス) ミュージックガイドマガジン by Spotify&CINRA
                                                                      • マーベルファンの3分の1以上が疲弊している。その原因は? MCU「フェーズ4」を総括(前編) | CINRA

                                                                        2022年、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の「フェーズ4」が幕を下ろした。『アイアンマン』(2008年)以来の集大成、「フェーズ3」の最終作だった『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開されたのが2019年4月だから、あれから早くも3年と7か月以上が経過したのである。あっという間のフェーズ4だった。 ところがいま、世界のMCUファンには「ユニバース疲れ」の傾向が見られる。11月17日(米国時間)、ゲーム・アニメ・映画・テレビなどのポップカルチャーを集約する世界最大のファンプラットフォーム「Fandom」が、とある調査結果を報告したのだ(※1)。 13歳から54歳までの5,000人を対象に行なわれた調査によると、マーベルファンの81%が「マーベルならばどんな作品でも観たい」と回答。しかし、その一方で84%が「MCUの勢いに圧倒されている」と答え、さらに36%が「疲れを感じている

                                                                          マーベルファンの3分の1以上が疲弊している。その原因は? MCU「フェーズ4」を総括(前編) | CINRA
                                                                        • 解体開始の中銀カプセルタワーに魅せられた元住人がつづる記録 「雨漏りする10平米、無限に広く思えた」 | CINRA

                                                                          1972年の竣工からちょうど半世紀経った2022年4月、中銀カプセルタワービルの解体工事が始まった。 中銀カプセルタワービルは、稀代の建築家・黒川紀章によって設計された集合住宅。汐留や新橋との隣接エリア、銀座8丁目に位置し、しばしば「ちゅうぎん」と読まれるが、「なかぎん」が正しい。 地上13階および11階建てのツインタワービルで構成され、直方体のカプセルが合計140個取り付けられており、各々のカプセルは独立した居住空間となっている。 見た者に強烈なインパクトを残す凸凹の建物には、コンセプトが大きく2つあった。 ひとつは、街そのものを活かした都市型ライフスタイルの提言。住宅は広さではなく、設備と立地こそに価値がある時代と謳ったカプセルは、ひとつ10平米と非常にコンパクトな造りである。デフォルトの設備はユニットバス、ビルトイン式の冷蔵庫、空調。オプションとしてテレビやステレオなどが付けられた。

                                                                            解体開始の中銀カプセルタワーに魅せられた元住人がつづる記録 「雨漏りする10平米、無限に広く思えた」 | CINRA
                                                                          • ラブリーサマーちゃん、真摯さを胸に語る ノイジーな世界に調和を | CINRA

                                                                            2020.09.11 Fri Sponsored by ラブリーサマーちゃん『THE THIRD SUMMER OF LOVE』 インタビュー・テキスト by 金子厚武 撮影:中山京汰郎 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部) 撮影協力:DJ Bar EdgeEnd、TSUTAYA O-nest ラブリーサマーちゃん3枚目のフルアルバムは、その名も『THE THIRD SUMMER OF LOVE』。「セカンド・サマー・オブ・ラブ」が1980年代の商業主義的な音楽からの解放であったように、90年代のブリットポップが不況に苦しむ人々の心を解放したように、『THE THIRD SUMMER OF LOVE』は2020年を生きる人々の心を蝕む様々な構造から個人としての尊厳を取り戻し、解放するようなアルバムである。 2ndアルバム『LSC』のリリースからは約4年が経過し、その間に以前所属してい

                                                                              ラブリーサマーちゃん、真摯さを胸に語る ノイジーな世界に調和を | CINRA
                                                                            • 極小のアート作品「1mmタトゥー」を体験。藝大院生の佐藤はなえとの対話で見えたタトゥーの価値 | CINRA

                                                                              近年、タトゥーを入れたり、入った人を見る機会が日本でも増えてきた。タトゥーに関する情報や知識も広がり、タトゥーカルチャーがポピュラーになりつつある。一方、いまだタトゥーに対するネガティブなイメージが根強くあることも否定できない。 そんななか「1mmタトゥー」なるアートワークを展開しているのが、東京藝術大学の大学院生でもあるアーティスト・佐藤はなえ。1mmタトゥーとは、1mm大のドットのタトゥーを施術するアート作品だ。これまで1000人を超える老若男女、多国籍の希望者に1mmタトゥーを施してきたという。 なぜ佐藤はタトゥーを1mmというサイズで施術するのか。それはアートとどのような関係を持つのか。はたまた1mmタトゥーをつうじて、芸術と社会の両面に対してどんな影響を与えようというのだろうか。実際に施術を体験しながら、そのコンセプトやタトゥーに対する価値観についてうかがった。

                                                                                極小のアート作品「1mmタトゥー」を体験。藝大院生の佐藤はなえとの対話で見えたタトゥーの価値 | CINRA
                                                                              • 中田裕二、粗探しが目立つ社会を見て語る「人の矛盾を肯定する」 | CINRA

                                                                                日常が失われ、価値観が大きく揺らぐ今、ミュージシャンはなにを感じ、どんなことを考えているのか。 もちろん、それぞれの立ち位置や視点によって状況や見えるものも大きく異なる。それでも、時代の切っ先を掴んで表現しようと取り組んでいるアーティスト一人ひとりの言葉から感じ取れるものは、次の時代への貴重な指針となる。筆者はそんな風に考えている。 中田裕二は、現在39歳。2011年のソロデビューからは9年。艶のある歌声と独特の色気を感じさせるメロディセンスを魅力に着実にキャリアを重ねてきた彼が、ニューアルバム『DOUBLE STANDARD』を4月15日にリリースした。 哀愁に満ちた歌声を響かせる“海猫”を筆頭に、しっとりと胸に染み込むようなメロウネスに満ちたアルバム。そこには彼のルーツである1970年代~80年代の歌謡曲やニューミュージックのテイストが色濃く根付いている。それと同時に、Tame Imp

                                                                                  中田裕二、粗探しが目立つ社会を見て語る「人の矛盾を肯定する」 | CINRA
                                                                                • ermhoiの「声」を輝かせている生い立ち、思想、知識、機材を取材 | CINRA

                                                                                  ソロアーティストとしてだけでなく、ermhoi×小林うてな×ジュリア・ショートリードによる「Black Boboi」でも活発的に音を届け、今年は『FUJI ROCK FESTIVAL』のレッドマーキーに出演。さらには常田大希率いるmillennium paradeのボーカルや作詞でもその才能を輝かせている、ermhoi(エルムホイ)。 美しくも、どこか歪なサウンドで聴き手の心を揺さぶる彼女の音や歌は、一体どのようにして作られるのでしょうか。Black Boboiのワンマンライブ『Colusite』(2019年11月16日、渋谷WWW Xにて開催した)に向けてリハーサル中の彼女を訪ね、ライフストーリーはもちろん、日本人とアイルランド人のダブルとしてのアイデンティティや、「政治と表現」というトピックまで、じっくりと話してもらいました。 小さい頃から頭の中に広がっていた、音楽の世界地図 日本人の

                                                                                    ermhoiの「声」を輝かせている生い立ち、思想、知識、機材を取材 | CINRA