ヴェーバーはキリスト教文化が内包する合理化の普遍性を一貫して強調したのです。そして、その普遍性にこそ恐るべき運命的な力が宿っていること、ここに警告を発していたのです(山之内靖『マックス・ヴェーバー入門』)p.220 マックス・ヴェーバー入門 (岩波新書) 作者: 山之内靖 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1997/05/20 メディア: 新書 購入: 11人 クリック: 43回 この商品を含むブログ (54件) を見る タイトルに「入門」とあるが、まったくの知識ゼロから入るのはキビしい。むしろ社会学の入門書などで通り一遍のヴェーバー理解を植え付けられた人が、その「洗脳」を解くのによさそうな一冊だ。 問題は、西洋近代社会の合理性が世界を席巻したのはなぜか、ということだ。確かに西洋の合理性には普遍的な「力」がある。だが、それは決して、西洋文明がすぐれていることを意味しない。むしろヴェー