日直のチノボーシカです。 気がついたらこの連載も、1年経ってしまいました。2年目もどうかひとつ、よろしくお願いいたします。 この連載はここ数か月、「世界でいちばん簡単な『文学理論概説』」と化している。なにも考えずにそのとき書きたいことを好きなように書くと、こうなってしまうのだ。 なので、言い切ってしまおう。この連載は、「世界でいちばん簡単な『文学理論概説』」である。この夏からそういうことになっていたので、ひとつよろしく。 さて、「読書の秋」ということを言い出したのがだれかは知らないが、とにかく読書の秋だ。そしてここ数年、わが国の「読書の秋」はちょっと浮き足立っている。 どうして浮き足立っているかといえば、アレですよ。毎年秋に発表される、ノーベル賞。 ここのところ毎年、この時期になると、「今年こそ村上春樹がノーベル文学賞を獲るのではないか」という噂が出て、出版業界や一部の読書好きは、なんだか