◇情報提供の信じ難いまずさ◇ いまは地震発生から2週間。ようやく被災地や原発の状況も多少は落ち着いてきた。本稿が掲載されるころには、事態はずっとよくなっているだろうと信じたい。 さて今回のとくに原発事故で露わになったのは、政府および関係機関の危機対応や情報提供の信じ難いほどのまずさだった。 とくに事故が起こった当初、公式発表は「とにかく安全だから、でも近くの人は避難して」というだけの訳がわからないものだった。なぜ安全と判断できるのか、何が起きているのか、ほとんど説明はなく、当然多くの人は疑心暗鬼に陥った。その後も散発的にデータは出てもその意味はろくに説明されず、そして誰もが絶望に陥った原子炉外構の水素爆発の際には、説明もないどころか政府首脳ですらろくに報告されていないことも露わになった。 その後、事故が深刻化するにともない、多くの人が何より知りたかったのは、もし最悪中の最悪の事態が