ロシア軍がウクライナの国境線を越えてから1年。21世紀の現代に、あからさまな侵略戦争が起きたことに誰もが驚き、プーチンの本心を探ろうとしている。その指はいつ、核のボタンの上に—。 前編『ウクライナ戦争「プーチンの最終目標」と「核戦争へのトリガー」とは…その「結末」を予測する特別鼎談』より続く。 死に鈍感なロシア人 畔蒜 2月21日に行われた年次教書演説の内容から見ても、プーチンは基本的には長期戦を前提にして考えている。財政に関しては、最低でもあと2〜3年はロシアは戦争を継続できるだろうという予測が大勢を占めています。さらに、今春にも中国の習近平国家主席が訪ロするとの観測が高まっています。中国の支援も受けつつ長期戦に持ち込めば、そのうち西側は支援疲れしていく。その機をとらえてウクライナに圧力をかけ、ロシアが望む形での停戦を実現する。プーチンはこれを目指して現在の戦いを継続しているのだと思いま