一歩踏み込んだ色表現 第1回は、色とはそもそも何か? そして、色を表現するための方法を紹介しました。今回はもう一歩踏み込んで、人間の特性を考慮することで効率的に色を表現できないだろうか? という点について考えてみたいと思います。 輝度+色差での表現 前回にも述べましたが、人間は「L・M・S錐体(すいたい)」という3種類の錐体センサの出力をブラックボックス(色として認識されるまでの情報の伝達内容や変換の仕組み)を通して、大脳で色として知覚します。センサ自体は光の波長に応じてその出力が決まりますが、大脳の中の色の認知としては、「白⇔黒」「赤⇔緑」「青⇔黄」の3種類として扱われていると考えられています。これは、NCSやオストワルト表色系の軸にもなっています(正確には、色の認知に関しては3色説、反対色説、段階説など諸説があり、まだ解明されたわけではないようです)。中でも白⇔黒は「輝度」と呼ばれ、ほ