知り合いのエコノミストから聞いた話。 ある顧客がスイスに行ったところ、「現地では円建てローンの広告が目立っていた」という。 これは意外な証言である。もともとスイスの金利は低く、欧州で流行る外貨建てローンのかなりはスイスフランで占められているため。つまり、私は、スイス以外の欧州人は金利の低いスイスフランで借金をし、スイス人は自国通貨建てでローンを組んでいる、と思っていたのだ。 以下は推測である。 スイス人が外貨建てでローンを組むには、スイスフランより低い金利の通貨が必要。それが円であった、というわけであろう。調べたところ、スイス国立銀行(中央銀行)はこのところ利上げしており、現在の政策金利(3カ月物LIBOR)の水準は1.25-2.25%のレンジ(不思議な政策金利体系である)。誘導目標はレンジだが、ターゲットは真ん中付近だとすると、1.75%となる。仕組みはよく分からないが、スイスフランより