気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン 前回、中国的「格差社会」の出現を読み解くカギは1960年代生まれの中国人にあるのではないか、という仮説を立てた。思わせぶりな書き方をしたが、だから彼らが悪いとかいいとか言いたいわけではない。 彼らが青年期を迎えた頃に始まった改革開放への激流の中で、時代の先駆けとなった世代がそのときどきで何に駆り立てられ、どんなことを考えてきたかを知ることは、いまの中国社会の実像を知るうえで重要だと考えるからだ。 さて、そこで1989年の天安門事件である。 「中国の民主化は、漸進主義しかありえないと思った」 すでに多くのメディアや文献で語り尽くされた感はあるが、1960年代生まれの中国人が学生時代に経験し、彼らのその後に最も影響を与えたと思われる歴史的な事件だ