【ニューヨーク=杉藤貴浩】米司法省は3日、東部の名門エール大が入学選考で黒人やヒスパニック系学生を不当に優遇し、白人やアジア系学生を差別していると連邦地裁に訴えた訴訟を取り下げた。黒人差別解消を掲げるバイデン政権が、トランプ前政権の方針を覆した形だ。 米国の大学は学生の多様性確保のため、黒人など人種的少数派を優遇する積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)を取ってきたが、対象外となる白人やアジア系からは「逆差別だ」との反発があった。白人保守層を支持基盤とするトランプ前政権の下、司法省は昨年10月「優遇措置は(差別を禁じた)公民権法に違反する」などとしてエール大を提訴していた。 今回の取り下げを受け、同大は「歓迎する。多様性のあるグループは大学や米国、世界に貢献する」との声明を出した。連邦政府によると、同大の学生の人種別割合は白人の40%、アジア系の20%に対し、ヒスパニック系が1